Geneva |
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Geneva空港. 前の訪問地マルセイユを発ち1時間、美しい湖に達した.湖端には大噴水が見え、ここがGenevaであることがわかる.
私を乗せた機体は湖を大きく旋回して空港に着陸していった. |
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空港に着くとフランス側のターミナルに出てしまった.スイス側に行く方法を聞こうと、航空会社のカウンターに並ぶが、前の客の応対がさっぱり解決しない.電話をかけているがさっぱりつながらないようだ.
私の番になったので、ついでに帰りの便のreconfirmationをすませ、聞いたとおりに通路を歩きスイス側の出口に向かった.入国審査もあるのだが、パスポートを出すとそのままであった.
次の試練は空港を後にGeneva市街地に出るため電車に乗ることだが、まず駅がどこにあるのかわからない.Informationに並ぶが、前の人の用件はさっぱり要領をえず私の番にならない.
駅のホームには券売機があるが、これが実に買い方がわからないものだった.再びエスカレータを登り、窓口で切符を買うことにした.Cornavinという駅がGeneveのメインターミナルであることをここで始めて知った.
ホームにもどると、今度は出発ホームの変更があって、再びエスカレータを登り違うホームに移る.
初めて訪問する国の最初の一時間は本当にいろいろなことが起こって面白い.勝手のわからないのを楽しめないと、海外旅
行などはできないものだ.
Cornavin駅で荷物をコインロッカーに入れ、街中にでる.まずは先ほど上空からみた見た噴水が目的地だ.街角を歩きながら商店のウィンドウを眺めていくと、今日の朝いたのと違う国にきたことを実感した.
商店には買ってみたいと思えるものが次から次に並んでいる.スイスの工業製品の優秀さは知れ渡ったことであるが、そのデザインがまた優れているのである.私のような日本人にとってはどれもが魅力的な商
品で浪費を覚悟せねばならない.これはえらい国にきたと思った.しかも値段はそれなりなのだから、いったいどのくらいの滞在費が必要なのか心配にさえなってくる.
空港で変えた200ユーロ分のスイスフランなど今日にも終わってしまいそうな雰囲気だ.
とにかく噴水を見て、駅にもどるために湖の流れ出す場所にある水門の脇を通ると、水が妙に美しいエメラルド色であることに気をとめた.
駅構内のスーパーで飲み物とサンドウィッチを買って、切符売り場の窓口に並ぶ.Zermatt行きの切符を買う時に気がかりだった私鉄区間も通しで買えた.
ホームに向かい売店の脇を通ったとき、新聞の一面に世界貿易センターの写真が出ていた.フランス語とドイツ語の新聞ではさっぱり内容がわからないが、テロ事件があったことだけはどうにかわかった.
あまり気にもとめず電車を待ちにホームに向かう.ヨーロッパで鉄道を利用するとき、日本と勝手の違うのは改札がないことだ.もっとも、さすがに私でもこれは経験済みのことである.時間どおり電車が
到着するのも、スイスという国のことだから当然のことのように思える.
さて、このテロ事件の全貌を知ることになったのは、これから三日後ZermattからInterlakenに移り、CNNを見れるようになったときである.Zermattのホテルのフロントで、さっそくこの話題で山に登る人は
何日も下界のことを知らずにいることもあると会話をしたとおり、フランス語、ドイツ語のわからない私は、アルプス山中の平和な街で、この事件がさっぱりわからないまま、世界から取り残されて三日間をすごした
のである.
映像は人類共通であるが、飛行機が高層ビルに突入するシーンはあまりに常識的な理解の枠を越えていて、何度みても現実感のないものだった.言葉の使えない不自由さをこのときほど感じたこと
はない.後に見たCNNだったと思うが、だれかがこの出来事はそのときいた場所とともに一生記憶されるであろうと話していたけれど、私にはZermattと供に一生残る思い出になることは確かだ.
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Jet d'Eau
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