奥多摩

永山丘陵
 Nagayamakyuryo
東京都青梅市
杉林 永山から
矢倉台から
上:永山の展望台から前方をみる.特徴的な2つのピークは馬頭刈尾根の向こう側にあるところから、私は以前から臼杵山あたりのものであると考えているが、未だに確認していない. 下:矢倉台は展望がよく、蛇行する多摩川の両岸に広がる青梅の町が見下ろせる.写真では、多摩川右岸に広がる駒木町あたりから背後の低い丘陵が広がっているのが確認できる.この写真でははっきりしないが、二ツ塚峠の鉄塔はわかりやすい. 右:第三休息所から黒沢川の谷側に下ってみると、植えられたまだ若い木々の中の静かな日溜りに出会った.この谷の流れはやがて入間川に注ぐのであるから、こちらは荒川の流れの一端であることになる.この小さな 丘陵が首都圏を代表する2つの水系の分水稜であったことは意外であった.
矢倉台からの展望の写真は拡大できます.


 多摩川左岸を下ってくると、山らしい山は高水山あたりで終わり、後は低い丘陵が連なる.その尾根も東青梅駅の西北、成木街道でついに終わる. したがって、ここは東京湾までの多摩川の流れ後半を囲んでいる関東平野の最奥部ともいえるようだ.この尾根の終端部に位置している永山丘陵の南に開けた町が青梅である.
 丘陵北側の成木地区で産出する石灰や、あたりの山々で伐採された丸太によって江戸を支えた歴史をもつこの町は、物資の搬送路として作られた青梅街道の宿場としても栄え、奥多摩の谷奥との中継点でもある.
 今の青梅市は、より平野側にある河辺あたりの住宅地の開発でベッドタウンという位置付けであろうか.このあたりは、まだかろうじて首都圏といった感じを受けるのであるが、青梅線に乗って、東青梅駅を過ぎるとまだまわりの街並みは、 こじんまりした谷口の町の面影をいくらか残している.
 いつもは、奥多摩行きに乗り換えるだけの青梅駅であるが、今日はここで降りて、永山公園に向かう.いつもは青梅駅のホームから見ている、駅背後にある山々が今日これから歩くつもりでいる永山丘陵である.駅前からひとつ手前の踏み切りまで もどり、左折、車道を永山公園に向けて登っていく.鉄道公園の分岐のところで、左の丘陵に登る道に入る.
 木々の葉もすっかり散り去り、寒々しい丘の上を歩こうと考える物好きは少ないようだ.たまに出会うのは、 ゆっくり散歩をする地元の人々くらいで、時に手にさかきを抱えているのを見るには、いよいよ今年も終わることを思いおこさせる.
 下に見えている市営グランドにも人影はなかった.丘陵の上には未舗装の林道が続いていて、ここを歩くようになっている. 第一第二と、小さなピークに設けられた休息所を過ぎ、叢雨橋という名の橋を渡った. 下の尾根に垂直に切り込まれた谷には、小曽木街道がトンネルで通っているところである.
 集落への下り道が分かれていくのを見送り、第三休息所では、荷物を降ろしおにぎりを食べながら休むことにした. あまりはっきりしないが、送電線が丘を駆け上っていることから、ちょうど多摩川の対岸に見えているのは、馬引沢峠あたりと思われた. 休息を終え、ピークの手前から、北側の黒沢川の谷側に下ることにした.さきほどの小曾木街道はこの川の流れに沿ってつけられていて、 青梅市北部の小さな温泉郷である岩蔵温泉の先で成木川と合流していることが地形図からわかる.
 後で調べてみれば、この成木川の行く末は入間川を経て荒川であった. ここは小さいながら分水稜であるのであって、ここを流れ始めた水はどちらに向かうかによって、東京湾まではまったく異なった経路をとることになるのは面白い.それにしても、 多摩川にこんなにまでよりそって荒川が流れていることに気づくのは意外だった.
 下り始めればすぐに谷底に達し、水の減った沢をわたり谷沿いの林道に出た.ここに寄り道した理由は、このあたりから北西にある雷電山に向けて道のあることを地形図は示しているので、その入口を確認するためである.奥に登っていっても、それらしい入口 は見当たらないので、反対の小曾木街道側に歩くと、100メートルもいかずに雷電山を示す小さな印がつけられているのを見つけた. 見た感じでは、歩道としてしっかり整備されているようではなかったので、ここを登るのはまたの機会にして今日は再び丘陵の上に戻ることにした.さきほどの第三休息所にもどり、日向和田方面に向けて歩き出す. 送電線の鉄塔を越えた先に第四休息所があり、ここは展望がよいのでしばらく眺めていた.
 次の矢倉台は一段と展望はよく、関東平野に流れ込む谷口に向けて流れていく、多摩川の両岸に広がる家々を見おろせる.東側正面の下は、逆S字に多摩川が蛇行している あたりで、吊橋が目に入る.それより手前にある緑色のトラス橋が万年橋であろう.その向こうには、多摩川右岸吉野街道にそって右岸の集落が続いている.その背後には平坦な丘がは るか先まで延びている.この丘陵が終わるのは、羽村堰よりまだ下った永田橋の袂である.
 出発し、分岐を日向和田方面に下ることにした.右側の尾根と伝う道は、辛垣城後を経て雷電山に続いているが今日はここで下ってしまうことにした. 下り始めると平行している宮ノ平に下る道に再び接する.ここから、道は細い急坂になって、じきに民家のもとに出る. 青梅街道まで進み、ここを左に進むと、神代橋の前に出、そのすぐ先に、日向和田の駅はあった. 
2001年12月27日歩く.
map
transportation
青梅線青梅駅.日向和田駅からの逆コースも可能.
links
青梅市 岩蔵温泉観光協会
またそのほかの周辺自治体のページへのLinkはこちらにあります.私のページ中で日向和田駅を起点とした散策には、吉野梅郷があります.

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