奥多摩の散策
 東京に住むものにとってもっとも身近な行楽エリア、奥多摩.山歩きを中心とした散策コースを紹介.

奥多摩という地名は、そこで生活を営む人々の間から自然発生的に生じたものではないだろう. 東京都の最西部に位置する奥多摩町は、古里、氷川、小河内の村々が昭和30年に合併したときにこの名を冠した。青梅線の奥多摩駅も、 もともとは氷川駅という名であって、奥多摩という地域がよく認識されるようになったことを反映してのものだと思う.

自らの住所に、そこに住む人々がわざわざ奥などという名をつけて呼ぶだろうか。一般には、それより手前に住むものが、より不便な場 所に少し軽蔑をこめて呼ぶ場合が多いように思われる.

どうもこの名の起源は、昭和のはじめ、東京の市街との周辺でまだ田舎であった多摩という広大な地域の、またさらに奥に広がっていた 場所が行楽の対象となった時、これらの山里に対してあてがわれた名であったようだ.それが、いつしか一般化し、やがて町の名になって しまった.

戦後、多摩と呼ばれていた地域は都市化が進み、多摩川奥地に広がる山間部だけが、東京で取り残された静かな田舎として残った. 東京都は23区37市町村からなるが、その内西端に位置する8市町村が、面積の26%を占める西多摩地区である. 面積では4分1を越えているが、その人口は40万と1200万都民中でわずか3.3%に過ぎない.これも福生、羽村、瑞穂、青梅 と東側の平野部のベッドタウン化した地区で75%を占めているのであるから、奥多摩域には10万人ほどとそれに青梅市西部の一部 の市民が住む生活の場が奥多摩である.

ところで、行楽の対象として奥多摩という地名が使われるとき、そんなに境界を厳密に設定する必要もないであろうが、ここでは、 いちおうその範囲というものを気にかけてみることにした. 奥多摩に多摩川支流秋川筋を含めるのは一般的だ.その秋川北岸にある丘陵は、多摩川への合流部まで迫り出しているから、この辺で はJR八高線がほぼ堺となっている。

この八高線が多摩川本流を超えると平野部と丘陵部が混ざっているが住宅地として発展が進んで いる。多摩川北岸を進む、青梅線の線路間際まで丘陵が迫ってきて、その車窓がみるみる山間部の風景に変わっていくのは東青梅駅あ たりであり、多摩川北岸ではこのあたりから西が奥多摩といえるのではないだろうか.

一方、奥多摩の西縁は、二つの考え方が可能だ.ひとつは、都内という枠組みをかぶせ、奥多摩町、檜原村の境界部、都県境線ま でとし、雲取山までとするもの.もうひとつは、奥多摩は、多摩川奥部ととらえ、その流域 すべてという考えかたによって、流域の最高峰である唐松尾山を越え、その水源がある笠取山までを奥多摩の範囲にいれることができる.

ここでは山行ルートを主に紹介していくので、アプローチから山域を分けるのが便利であり、私はJR青梅線、奥多摩駅からバスで アプローチできる山梨県の小菅、丹波両村まで奥多摩に含め、紹介していくことにする.

Trail

ご利用にあたって

登山道についての記載は私自身の経験をもとに書いてあります.ルートによって山行回数も異なり、手元にある情報の量も様々であるので、 場合によっては誤りも含まれていると思います.もしお気づきの点がありましたらご指摘いただけると助かります.

行程に必要な時間は、実際に私が歩いた時の記録に基づいています.その日の天候や体調、荷物の多少など所要時間を変える要因は数多く あります。また個人差も相当あると思われます.記述はあくまで参考と考え、計画を立てる際はガイドブック、登山地図等のコースタイムなど で情報を集め確認するようにお願いします.

連絡はこちらのフォームを利用ください.

雲取山ほか、充実した山行を求める山

雲取山

2017メートルの山頂は、東京都の最高地点として知られていて人気が高い.展望の良い山頂部、そこに達するルートは奥多摩の山の美しさを 代表するもので一度は訪れたい山である.

笠取山

多摩川の水源があるピークで、このピークだけであれば、笛吹川側の雁峠から 登るのが一般的.水源部の峰々を西に向け縦走する登山者も多く、雲取山からこの笠取山へは途中将監小屋で一泊する.

ここで紹介するのは、雁峠より多摩川水源部を歩いたときのもの.

飛龍山

雲取山の西に位置するのが飛龍山で、このピークだけ登るのであれば丹波か三条の湯から往復することになる.

ここで紹介するのは、将監小屋から飛龍山を越え雲取山荘まで、多摩川水源部を西から歩いた時の第二日めのもの である.

鷹ノ巣山

雲取山の南東に発し奥多摩駅のすぐ西まで、多摩川と日原川を隔てているている長い尾根が石尾根で、鷹巣山はこの石尾根を 代表するピークである.視界のよい山頂部は、富士や南アルプスを眺望できできれば空気の澄んだ冬期に登りたい秀峰.

日蔭名栗山・高丸山

鷹巣山の西に続く石尾根の2つのピーク.

蕎麦粒山

蕎麦粒山は、埼玉県との県境部尾根上にあるピークで、日原を起点に横すず尾根か、川乗山を経て登るかいずれも距離が長くなり一般的ではない. これが幸いして県境尾根は人影の少ないまま残された静かな山域.

鳥屋戸尾根

蕎麦粒山から南へ川乗橋まで伸びている鳥屋戸尾根.

天祖山

日原川源流部、埼玉県との県境となっている長沢背稜から派生した尾根にあるピーク.この山を目的に登られることは少なく、離れ小島のようにとり残さ れた静かなピーク.

天目山

三つドッケとも呼ばれるカラマツに囲まれた小さなピークと小川谷の展望が良いハナト岩を通り七跳山までを歩く.

 

奥多摩三山ほか、山歩きを楽しむ山

代表的な奥多摩の山といえば、多摩川南岸に並ぶ大岳、御前山、三頭山の3山と北岸の川苔山があげられ、いずれも アプローチがよく整っていて、コースも複数整備されていることから、日帰りで奥多摩へ出かける時にその候補として 重宝します.また、本仁田山と六石山もコースタイムは短いことから、遅めに出発したときなど行き先として選ぶのに 適した山といえます.

大岳山

丸く盛り上がった山頂部、独特の容姿で知られる山.鋸尾根コースは長丁場だけれど、奥多摩駅を起点に登れ人気がある.

御前山

姿の良い御前山.展望のない山頂として知られているけれど丹沢や富士の眺めのよさには驚かされる. 奥多摩駅を起点に鋸尾根から登った.

三頭山

三山で最奥の山.見た目の特徴は少ないけれど、山頂部の自然林散策は四季を通じて楽しい.通常下山路として使われる北側の尾根から静かな山行を楽しんだ.

川苔山

多摩川北岸にある奥多摩の代表的な日帰り山行の山.

鳩の巣から

鳩の巣駅に始まるルートを登り、鋸尾根を伝って本仁田山へ縦走.

真名井沢北稜

東の大丹波川から尾根筋を登っていく、あまり知られていない川苔山への近道.

赤杭尾根

川井駅の西まで続く尾根筋につけられた登山道で、単調な登り続きで敬遠されるだろうが直接駅まで降りられ下山道としては有用.

獅子口

大丹波から沢筋につけられた歩道.水の流れ出る岩穴、獅子口があり、かつてここにあった小屋の名になっていた.

鳩ノ巣駅から百尋の滝

鳩ノ巣駅から大ダワに登り鋸尾根を伝い川苔に達するルート.作業道は大ダワを越え、足毛岩の歩道に合流する. これを通して歩けば鳩ノ巣駅から百尋の滝へいくこともできる.

六ツ石山

小河内ダムを見おろせる水根集落から始まる登山路は、防火帯が切り開かれた榛の木尾根に出てこの山に達する.

本仁田山

奥多摩駅のある氷川の北東に位置している山.登山道は青梅線の駅から始まり短時間の山行に向いた山.

日向沢ノ峰

県境尾根の脇にある小さなピークで、山頂の狭いこの山を目的とした登山者は少ない.石尾根から雲取山にかけての展望がある.

高水三山ほか、気軽に登れる山

高水三山

奥多摩の前衛、3つの低山をつなぐルートは青梅線軍畑駅に始まり御嶽駅で終わる縦走路となっていて 、手ごろなハイキングコースである.

棒ノ折山

埼玉県との県境に位置する奥多摩最前列の山、ハイカーでにぎわう広い山頂は東側が開けていて奥武蔵の山々 の眺望にすぐれている.

浅間尾根

秋川筋に住む人々の生活を支えた尾根の背を行く元生活道、緩やかな散策ルートとして有用.

笹尾根

奥多摩山域の南限、山梨県との県境に連なる尾根は静かな散策を楽しませてくれる.

雷電山

青梅線沿線、奥多摩最前衛の山.視界もない雷電山自体の山頂には魅力は感じられないが、なだらかな青梅丘陵に続く道を、半日かけて散歩するのはそれなりに楽しい.

臼杵山・市道山

秋川の支流、盆堀川を囲む戸倉三山.全山縦走はけっこう苦しいから、朝出発が遅れた私は、西側に位置する二山だけ登った.

むかしみち

むかしみち

むかしみち

奥多摩駅から小河内ダムまで続く、旧街道に沿って歩く散策コース.

川苔谷

川苔谷と、この谷に懸かる奥多摩一の名瀑百尋の滝.

海沢渓谷

大岳山から多摩川に向けて北に流れ落ちる沢.三つ釜の滝、ねじれ滝、大滝の3瀑を散策.

  picnic sites 行楽
奥多摩湖

奥多摩湖

奥多摩湖

首都東京都民の水瓶、小河内貯水池.

吉野梅郷

青梅市の梅の名所.

永山丘陵

青梅駅北側に連なる丘を歩く散歩道.

倉沢の檜

倉沢の尾根に立つ檜の巨樹.

秋川の滝

多摩川の一大支流、秋川にかかるいくつかの滝.

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雲取山 鷹の巣山 川苔山 六石山 三頭山
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奥沢橋梁

奥沢橋梁(奥多摩の橋々)

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榧ノ木尾根

鷹ノ巣山の登山ルートでもある榧ノ木尾根、倉戸山、榧ノ木山、水根山の3峰を経て石尾根へ下山.

黒山

棒ノ折山の南に位置する小ピーク.小沢峠から登り岩茸石山、惣茸山を経て下山する.

日ノ出山

山頂の展望がよい日の出山.平野に広がる都市部の遠望も、奥多摩の峰々のいずれも楽しめます.

大塚山

御岳山北側のピーク.

四季彩
四季彩号
四季彩号
現在の塗装.
平成13年より青梅線を走っている展望型電車の四季彩は、今年7月から塗装を一新する.2004年.Clickすると大きな映像(約5Mbyte)を見れます.
川苔沢百尋の滝
Bridges 多摩川とその支流に架かる橋々
奥多摩橋
峰谷橋
麓から眺める 奥多摩の山々を遠くから眺めるページ.
大岳山と御岳山
Information
吉野梅郷

吉野梅郷

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幸運にもよくまとまった美しい光景に出会うこともあります.そんなまぐれあたりで撮れた奥多摩の山々の姿です.

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