奥多摩
河辺駅 title
青梅丘陵(河辺駅から)
雷電山  青梅線の電車の多くは青梅駅止まりだ.奥多摩に向かう旅路は多くの場合、青梅駅のホームへ降り、折り返しで発車する 奥多摩行き電車を待つことになる.それが春から夏の昼下がりであれば、駅の北側に見えている青梅市立第一小学校の背 後を取り巻く丘の鮮やかな新緑のすがすがしさに、奥多摩に出かけてきた満足感を早くも感じ、すでに自分は山中に入ったよ うに気分も軽くなる.
 長い間私は、奥多摩の山々に向けて通りすぎる玄関としてしか青梅という町を知らなかったのであるが、木々に葉の出揃う 時期の青梅は通りすぎるだけでは惜しいことに気づいた.木材の町としても発展した歴史を持ちながら、青梅の山は植林一色 というわけではなく、市内の低い陸の上には落葉の林が残されているのである.
 そのような丘のひとつ、青梅丘陵は東青梅駅あたりを末端にして、JR青梅線のちょうど北側に続いている低い尾根である. 日向和田駅まで辿っていくと、そこから右に折れ稜線は北上し、海抜494メートルの雷電山から降りてくる尾根につながっていく.
 この雷電山から青梅丘陵まで散策道が貫いているから、これを歩いてみることにした.実は、昨年暮れにも歩いてみようと、青梅駅 からこの丘に登ったのであるが、その時は矢倉台から日向和田駅に下った.そこで、今回は軍畑駅まで行き雷電山から順に下ってくる ことにした.
 いつものとおり、青梅駅では奥多摩行きの電車を待つことになった.いつもは彩りを添える役割しかない青梅丘陵も、今日は主役だ. 軍畑駅を降り、踏切を渡って平溝川の谷に下りていく.前方には雷電山が見えてくる.青梅線の赤く塗られた高い鉄橋の下には平溝 川が流れていて、まずは、この川沿いの都道を榎峠に向けて登っていく.
 高水三山のコースが分かれていく平溝橋を渡った先に、地形図では雷電山の歩道が記載されているのである が、整備された歩道はもっと先の榎峠の手前にある.道路脇に立つ入口の道標からわずか20分登れば、もう雷電山の 山頂に達する.下を走る青梅線の音はここでも聞くことができる.植林内の山頂は予想どおり、展望もなくておもしろみ のない場所であったから早々に歩道にもどることになった.
 木段のある急坂を下り、道が平坦になると、大岩を避けてか、歩道は稜線からはずれ南に下っていく. 左に折れると、植林された木々はまだ低く多摩川の対岸袖木あたりの家々が見えてくる.町の背後、大岳山は午後の日差しの 作る逆光に浮かび上がっている.今日は昼下がり、のんびりした山歩きだ.少しだけ南に出れば、西に惣岳山のあることに気づいた.
 辛垣城跡の標示が立ち、二俣尾への歩道が分かれている.歩道の付け根には送電線の鉄塔が建ち、下は伐採されてい て視界も良い.しばらく休み、眺望を楽しむことにした.
 歩道にもどり歩き始めると、すぐ先には城跡まで登るための歩道が分岐している.ピークはまわりを岩に囲まれ、その中の窪地は 城跡であるのだが、大正時代に石灰岩の採石で掘られたため原形をとどめていないことが書かれていた.
 再び歩道に戻るとすぐに鞍部に達し、ここは成木と二俣尾を結んでいる名郷峠だった.多くの峠でそうであるように、小さな石の 祠がおかれている.その先のピークを越えてから、少しづつ登り降りがあったが、檜の立ち並ぶ少し大きなピークを歩道は巻いていく. 地形図にある454mと書かれたピークはここのようだ.その先の鉄塔の下に、ベンチが設けられていて、ここで再び休むことにした.
 このピークから歩道は青梅丘陵に向かい南に進路をとる.栗平の分岐、石神駅への分岐を過ぎると小さな黒仁田林道への 分岐を示す小さな道標もある.これは、丘陵の北側、黒沢川の谷に向かう歩道であろう.三角形のピークを巻くと、青梅丘陵上を縦 貫する林道に出た.
 右の歩道は、前回下った日向和田駅に出るものだ.東に車道を辿り、矢倉台に登ると青梅市街地の見晴らし がとても良い.ここから先は車道も平坦で、小曽木街道の上にある叢雨橋を渡ると、いよいよ終末だ.
 電車の走りだす音も聴こえてくる.いよいよ青梅駅は近く、駅のアナウスまで聴こえてきた.右下には あの青梅駅があるのであって、いつもプラットホームから見上げていた丘の上に今日はいる.
 丘の東端に位置する鉄道公園まで行ってから車道を下るよりは、金比羅神社からそのまま駅に降りることにした. 市営弓技場の裏を抜け、ホームから見えている市立一小の門に出た.ホームはすぐ前でも、踏み切りがないので、線路 に沿って西に歩き、図書館前の前で渡り青梅市街に出る.
雷電山
榎峠
榎峠歩道入口
山頂
summit
雷電山
惣岳山
西には惣岳山
大岳山
大岳山の方角の眺望
名郷峠
名郷峠
名郷峠
ピーク 木のピーク
名郷峠次のピーク
2つめのピークから狭山方面
454メートルのピークは巻く
Peak 矢倉台 青梅丘陵の木々
送電線鉄塔の立つピークで歩道は丘陵に向かって東南に向きを変える.
矢倉台
芽息吹く木々
金比羅神社 青梅市外を見下ろす
矢倉台から青梅市街を見下ろす.
金日羅神社
新緑の青梅駅
新緑の青梅駅
釜ノ淵公園より、青梅丘陵を見上げる.


course
軍畑駅 20分⇒平溝橋 10分⇒ 榎峠入口 20分⇒ 雷電山 20分⇒ 辛垣城跡分岐 5分⇒ 辛垣城跡⇒ 5分 名郷峠 20分⇒ ベンチのあるピーク 20分⇒ 矢倉台 20分⇒ 金比羅神社 5分 ⇒ 青梅駅
map maps
武蔵御岳、青梅 (二万五千分の一地形図).
transportation
JR青梅線軍畑駅下車.帰路は青梅駅.
web
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