日陰名栗峰 |
鷹ノ巣山.日陰名栗峰切り開きから. |
奥多摩最高峰雲取山の南に位置しているのが七つ石山であり、このピークから奥多摩駅の西側まで続いている長い尾根は
石尾根と呼ばれている.尾根の中のピークで、最もよく知られ、登られているのが、海抜1736メートルの鷹ノ巣山である.
この鷹ノ巣山と七つ石山の間にある日陰名栗峰と高丸山は、それぞれ1725m、1733mと鷹ノ巣山と同じくらいの
の高さをもつピークであるが、これにむけてふもとから直接登るルートはないためか、尾根の中のマイナーなピークとしてしか知られていない.
さらに悪いことにこれらには巻き道がつけられているから、山頂が踏まれることはまれで、そのままやり過ごされてしまう存在だ.
東側の日陰名栗峰は、東面に大きく木々の切り開かれた跡があって、山頂部が切り開かれ目立つ鷹ノ巣山と並んで、南側からはその所在を 確認しやすい。山頂が切り開かれているなら展望も期待できそうで、私は前々からこの山のことを気にはかけていたのであるが、 あえてこの山だけに登ろうという意欲もおきなかったし、雲取山へ向かうときも、無駄な登り降りになってしまうこのピークは巻いて いる. 鷹ノ巣山に登ることを目的とした山行なら、稜線を西に進めこの山に立ちよってみたところで、1時間も余分にかかるだけであろう。 さらに西側の高丸山の山頂も踏むに越したことはない。鷹ノ巣山と、これら石尾根でまだ踏んでいなかった2つの山頂をつなげ、 高丸山の西に始まる赤指尾根を下る行程を設定し、登ってみることにした.
すでに、下りは、赤指尾根に決めているから、今回は北のこちらから入り、順にピークをめぐることにし、 東日原行きのバスに乗った.車道を歩くと、鷹ノ巣山登山口があり、まずは民家裏から日原川の川底に向けて 下り、日原川を橋で対岸に渡る.登り返したところが巳ノ戸沢で、この沢沿いを少し登っていくと鞘口ルート( 巳ノ戸林道)の分岐点で橋がかかっていた.川苔山から眺望すると鷹ノ巣山稜線を北に追ったところに八丁山と いうピークがある.間の低部は鞘口のクビレというらしく、ここに突き上げているのがこの巳ノ戸沢である. 鞘口ルートはこの沢沿いに登っていくものでかつては整備されていたようだが、現在は通行止になっている. 巳ノ戸沢の右岸にあるのが稲村岩尾根で、分岐からはスイッチバックを繰り返して尾根の背に到した. ここを左に折れると尾根末端に立つ石灰岩の三角錐、稲村岩の上に立つことができるが、今回は立ち寄らず 山頂にむけ急ぐことにした.稲村岩尾根の登りは単調で急だ.展望もなく、ヒルメシクイノタワまで根気 よく高度をかせぐしかない.
12時前とあって、まだ山頂は静かであった.南東を見ると、一段低い水根山に続く尾根があり、その背後に大岳、御前と 奥多摩の山が見渡せる.南を見下ろせば、左手にかやの木尾根が、右手には浅間尾根、その先には斜面に並ぶ峰集落も確認 できる.西には南アルプスも眺望できるのであるが、今日は薄曇で遠くの山は霞んでいた.昼食を終え出発する.
存分に展望を楽しんでから出発、少し登リ直せば次のピークに達したがこちらは見晴らしはない.下っていくと ピーク南側を巻いている歩道と合流した. さらに防火帯を追って登っていくと高丸山の山頂についた.こちらは視界もなく山頂に立ったことで満足するしかない. 本日の目的はここで終えたのである.少し休んでから下りにはいった.防火帯の切り開きは急勾配、スピードを殺しながら 下降すると、縦走路に合流する.左手林の中に向かっている歩道が巻き道で、まもなく千本つつじの分岐だ.赤指尾根の分 岐で左に折れると、植林中の急な下りが始まった.
峰谷バス停に着く.休日ここからのバスは午前と午後に1便しかない.ちょうど運良くバスに間に合ったが、これに乗れなかったら、奥多摩湖 畔の峰谷橋までさらに車道を下らざるをえない. |
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