烏尾山から見た三ノ塔 |
この三ノ塔、山頂部には木々がない.実際そこに立ってみれば、予想を裏切ることなく展望は
すばらしいものであった.西の対岸正面には大倉尾根、今辿ってきた表尾根はその右に連なっている.東側には丹沢の秀峰、
大山の美しい三角形が目前にある. |
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山頂のすぐ下にはニノ塔.その先は秦野平野が広がっている. |
三ノ塔山頂より、塔ノ岳側を観る.右手にここまで歩いてきた表尾根が続いている.背後右端が丹沢山に続く稜線. |
大倉に向かうバスが麓を登り始めると、いつも私の気分は急に明るく
なっていく.塔ノ岳、山に遊びにきたことを堂々と表に出して歩ける山である.遊山するならこの山ほど適地はない.
ゆるい大倉尾根、途中には小屋もたくさんあって、早々ビールを飲みだらだらと登るのも丹沢の山ならではの楽しみだ.
雛壇になっている塔ノ岳山頂、西の富士を見ながらの昼食も物見遊山の延長だ.
南に面した丹沢には暗い襞がない.陽光をさえぎられた底を進むことなく山頂に向かえる.塔ノ岳の登り口である 大倉も広い台地の上にあって、バスを降りると空は広い.南向きの緩い斜面、その奥に高くそびえる山々、遠足に出かけ るような晴れやかさで歩き始めることができる. 塔ノ岳山頂から東南の三ノ塔に続く尾根が表尾根.三ノ塔は表尾根最後のピークともいえる台形の大きな山. 何にもなさそうな平らな山頂に緑色の小屋が建っている.視界のよさ以外にこれといった取り得はなさそうだが、 よく目立つこの小屋のあることから前々から気にかかっていたピークだ. 表尾根、ヤビツ峠を基点に塔ノ岳への登るルートでもあるが、峠まではバスでいける とはいえ、こちらからだらだら登るのはちょっと厳しい.そこで私は、大倉側から登り三ノ塔に下ることに決めた. 塔ノ岳は長いが、ゆるい大倉尾根の末端から登っていくのが一般的であることは 間違いないが、ちょっとだけひねったルートを選ぼうと、今日は小丸のルートから登ることにした. 小丸を経て鍋割山に登れるルートで、大倉尾根と四十八瀬川、勘七沢を挟んで西隣に並ぶ訓練所尾根 を登っていき、塔ノ岳から鍋割山に続く稜線に合流する. 起点は二俣、大倉バス停から四十八瀬川の谷筋に沿った林道を遡る.表丹沢県民の森に入る車道が分かれて いくのを過ぎると下り勾配になり、勘七沢の流れを渡る.その先に小丸経由鍋割山の入口がある. 檜林の中の急坂を登ると、松の木の立つ尾根上に出る.風が通り沢のせせらぎが聞こえて いて、早春の山の爽快な気分を楽しみながら登っていくと、745メートルのピークについた. 登りはいくらか急になり、登りに専念する単調な時間を送れば、やがて先ほどまではるか上に見えていた ザレは歩道のすぐ隣になっていた.西側の山並みの先に、富士を見ることができるようになった.東南には、 平地に秦野の町が広がる.視界のよさ、丹沢の稜線の楽しみを存分に味わう. 鍋割山と塔ノ岳を結ぶ歩道に合流.塔ノ岳1.5km、鍋割山は1.3kmと表示があり、両山のほぼ 中間点.蛭ケ岳、檜洞丸、丹沢山と、北に位置する山々が見えるようになった. ブナの大木が傍に現れ大丸に出た.このあたりにはブナが多い.一旦下って、大倉尾根ルートに合流する 金冷しに出た.前には、まだ高い塔ノ岳の山頂が見えているのであるが、この詰めはいとも簡単に終わって しまう.見晴らしが良いだけに登路の全貌が前々からわかってしまうので捕り越し苦労をするのも丹沢の山 の特徴だ.木段の登りをすすめば塔ノ岳の山頂に着いた. 早速、山荘でビールを買い求め、北西に切れ落ちた深い玄倉川の谷を眺めながら昼食を楽しむ. 富士もかすんではいるが見えている.見晴らしも良いだけに風をさえぎるものもなく、じっとしていると吹きつける 風に体はどんどん冷えていくから、早々出発することにした.山頂部を一段降りると、平らな道が続き、木ノ又大日 に達する.次の新大日では、札掛に向かう道が分かれていく.小屋があったが閉まっていた.南に下っていくと、 三ノ塔や大山が見え、西北には今辿ってきた塔ノ岳からの尾根を見えている. 下に見えている書策小屋に向かっての下りが始まった.小屋の先で、水無川本谷に下る書策新道が分かれて いる.戸沢の分岐を過ぎると、水無川の戸沢と北の中津川の双方が削りとった尾根は細い.鎖場を登ると行者岳 の狭い山頂があったが、立ち止まらずそのまま進んだ. 烏尾山は見晴らしも良く、ベンチの並んだ広い山頂であった.その中心に小屋も建っているのだが、まだ営業し ていないようだ.目指す三ノ塔、すぐ前にその巨体を見せている.これから最後のひと登りをしなければならないのだ. 北西の崩れかかった登路を、肩で息をしながら這い上がると、木段が現れ残りは200メートルになった. もう、あの台形の上辺にいるのであるから、山頂までは平坦で、息を整えながら山頂に向かう. 山頂に着く.緑色の屋根は休息小屋.展望をじっくり楽しみ、くだりに入る.すぐ下で、二ノ塔からヤビツ方面と、三ノ塔尾根 を下っていく戸川方面のルートに分かれている.二ノ塔側へ下ろうか迷ったが、ヤビツ峠のバスの時刻も調べてこなかったから、 予定通り大倉に下ることにした.植林中の木段が続き、ここまでとは、すっかり歩道の趣が変ってしまった.戸川5.7kmとの表示、 先はまだ長い. 長々続く下りに飽きたころ、前方には吊橋が見え舗装された林道に出た. 権現沢、コンクリートの車道、三ノ塔尾根と3つに分かれているのは牛首という場所で、どれを進んでもよさそうだから、 どれを進むべきか迷うが、下ってきたついでの三ノ塔尾根を最後までいくことにした. 2002/3/17 歩く.
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尊仏山荘 |
塔ノ岳山頂から丹沢の最高峰である蛭ケ岳は北に位置する. |
三ノ塔山頂から大倉に向かって下っていく長い三ノ塔尾根. |
木ノ又の頭を過ぎると新大日の茶屋がある. |
小屋の下からは眺望が良い.向かう三ノ塔は左手. |
次の小屋は書策小屋 |
戸沢の源頭で尾根は細くなり、岩場を過ぎると行者岳の山頂.行者岳よりみた烏尾山と三ノ塔. |
辿ってきた塔ノ岳側を見上げる.左のもっとも高いピークが塔ノ岳、ひとつおいて平らなピークが木ノ又小屋のあるピーク. |
笹の中を烏尾山の平らな山頂に向かう. |
小屋の建つ山頂は広く、ここからの展望もすばらしい. |
三ノ塔の三角点. |
遠くからも見えている緑屋根の小屋. |
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