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クマザサに覆われた宮古崎先端部. |
大和浜方面 |
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湾の対岸、親川崎. |
岬の先端から名瀬方向を見る. |
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名瀬市(現奄美市)と大和村の境界になっている、国直トンネルをこえると、思勝湾をさけて南に折れていく.思勝湾の東側、東シナ海に突き出た岬が
宮古崎.トンネルを出た先にこの岬に続く歩道の入口がある. 国直海岸の民宿で一泊した翌日の朝、私はこの岬を訪れることにした.
昨日、名瀬からバスで下ってきた道路を歩道入口までのぼっていく.そろそろ暑くなりだしたアスファルトの車道を離れ、岬に向かう未舗装の道路に入ると、訪れる人は少ないの
だろうか、すぐ道は荒れるに任せた感じである.浜の方から登ってくる道が、かつてはメインルートであったようで、合流してくるが、こちらは廃道で立ち入り禁止になっていた.
ここから岬に向かう歩道は舗装されていて歩きやすくなった.今日はまだ利用者はいないのだろう.頭スレスレの高さに架けた蜘蛛の巣に触れそうになる.大きな網の
真中には、ちょっと相手をしたくないような大きな体の蜘蛛が訪問者を伺っている.大きなシダへごとこんな網が次々に現れた.同じようで、いつも歩いている山河とは勝手が違うと
ころが奄美である.松の間からは岬先端が見えた.
草に覆われたコンクリート製の展望台が現れ、登ってみると、前方に笹に覆われた岬が見えている.先端まではごくわずかだ.笹の間につけられた細い歩道を進むと展望が
開けた.一面に広がるのは真っ青な大海原は東シナ海.はるかかなたの水平線の上には夏の雲を浮かべた真っ青な空が広がっていた.
波打ち際の浅い珊瑚の海は白みがかって水はエメラルドグリーン.海面の色の違いで、沖の海との境界がはっきり判る.波はとても穏やかで、時々強い波が来ると海面に出た岩礁
に白波がたつ.なんとも気持ちの良い場所だ.一日、寝転がって何も考えず眺めていたら、さぞ気持ちの良いことだろう.
西南に目をやると、いっそう静かな思勝湾の最奥には、役場や公共施設のある大和浜の集落が見えていた.湾の対岸は、親川崎という岬、その先に、海面に岩の出ているのが
ツブテ崎だろう.2つ砂浜や家並みも見えていて一段大きく突き出しているのがウツ崎.このあたりまでの海岸線が視界、その先にあるヒエン浜や徳浜の絶壁は、このウツ崎の
陰に入ってしまい見ることはできなかった.
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思勝湾の奥にあるのが大和浜集落、集落の少し先には、島内各所から移築された高倉が建っている.
高床式、かやぶきの低い屋根と独特な形態を持つ倉庫.かつては、集落ごとにいくつかづつまとめて建てていて、群倉(ぼれくら)
とよんでいた.倉庫の下にできる日影を利用して、収穫した作物の片付けをしている写真が奄美博物館に展示されていた.
協同体の作業場と集会場がかね備わっていたようだ.
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群倉 | |
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徳浜の断崖 |
海上にそそり立つ断崖の高さは170m.その下を徳浜トンネルが貫通している.
トンネル入口の保護のためであろうか、私が訪れたときには、断崖に足場が組まれ工事が進行中であった.
はるか上方にまでくみ上げられた足場の上では、命綱を着けて作業が行われていた. |
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国直バス停で、今里行きバスを待つ.きのうと同じように岬の上から下りてくるバスが見えてきた.冷房の効いたバスが到着し、乗り込むが乗客は少ない.
走りだしたバスは海岸線を進み大和浜の集落に入る.平日であって、バスの車窓からみた集落は一段と静かであった.昨日訪れた郡倉の脇を通り、大和川に沿った道を
バスは登っていき、トンネルを越えるとテトラポットの並べられた浜が現れた.小さな漁港もある集落の前が大棚バス停.このあたりは、昨日宮古崎から見えていた砂浜で
あろう.道は高いところを超えていくようで、わずかだが登り勾配になった.そしてすぐ下り勾配になる.大金久、ウツ岬がすぐ前に現れた.この岬はかなり難所のようだ.
バスは延々と曲がりくねった道を登っていく.これだけ高ければ、見晴らしもよいのだろう.峠には峰山公園という標識があって、海側に展望台もあるようだ.道の勾配が下
りに転ずると、前方には、砂浜の上に低い山が乗っかった小さな岬が突き出ているのが見えてきた. |
ヒエン浜 |
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