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街地
宮之浦
宮之裏白谷林道からの眺め
宮之浦川
宮之浦川 水源は奥岳にあり、島の半径を流れた末、大洋に吐き出される.河口の宮之浦橋のあたりは、おだやかに波うつ静かな水面、 旧橋も歩道として残されていて、古い日本の水辺の趣を残す場所である.
 屋久島の表玄関、宮之浦港の背後にあり、商店、学校、郵便局、銀行と主要な施設が集まる 島内最大の町である.鹿児島からきたフェリーが接岸し、人も物もここを通過して島内に散らばっていく.周回道路の脇にはみやげもの屋がならび、屋久島観光の拠点で、時に島にいることを忘れてしまいそ うな場所でもある.
 町の中心を流れ海にそそぐ、宮之浦川沿いの道を登っていった先で白谷林道は始まり、細く急な車道を登り詰めたところが
白谷雲水峡、屋久島の自然を知る 格好のスポットで、弥生杉をはじめとする屋久杉の大樹も散策しながら見ることができる.
 フェリーで渡ると、宮之浦港は最初に見る屋久島の姿である.屋久島にはじめてきたとき、 入港直前、ガスのかかった集落背後の山に一筋に光る長い直線を見つけ、そこには巨大な滝があると勘違いしたことを覚えている.考えてみれば、私の屋久島最初のエピソードで あり、このことが、屋久島がとてつもない自然とともにある屋久島、その宮之浦として心に刻みつけたのかもしれない.晴れた日にみれば、それはおそらく白谷林道のところから流れ落ちている沢に日の光 が反射してできたもののようであり、人々の静かな日常生活が進行するのどかな島入口の集落宮之浦がそこにある.
宮之浦港 宮之浦港
宮之浦港 94年の写真.太陽丸が着岸している. 宮之浦港

永田
永田 永田岳頂上からの眺望
 永田は西の外れ、かつては島の中でも僻地であったようだ.周回道路が完備した現在では、児童文学者椋鳩十の「海上アルプス」に出てくるような、もう離島僻村の暮らしはない. 舗装された西部林道を使って車で島一周ができるようになった現在の旅人にとっては、気にしなければ通過してしまう町の一つであるが、永田川の手前には、美しい白砂の浜
いなか浜 が広がっている.奥岳に降りそそいだ水を集めて流れる永田川が運びだした砂が長い年月堆積してできたのであろう.水は澄んでいるし、混み合うことはないから、夏場であればここで泳ぐのも悪くはない. しかし、それを目当てにわざわざ来るほど魅力のある海でもないだろう.海に入ると屋久島の緯度はまだ少し北にありすぎることを感じた. 砂浜に腰を下ろし、屋久島の離島である口之永良部島の姿が打ち寄せる波の先に見えるのを楽しむくらいかもしれない.
 永田川の橋元には、郵便局があり、少し先にはガソリンスタンドと商店がある.天気に恵まれれば、この橋からは屋久島第二の高峰である 永田岳の峻険な容姿を見ることができる.奥岳を直接見ることのできる集落はここ永田だけである.
 集落を通り過ぎ先に進むと、次の集落、島の南西に位置する栗生まで、西部林道の区間になる.人影のない森林の中をくねくね曲がる細い道路が続いている. 日の暮れた後、この道を走った時、漆黒の闇に、ライトに照らし出された路面を野ネズミが慌てて走り去っていくのがたびたび見えた.世界遺産にも指定された照 葉樹林の豊かな森、その中をいく林道はいくら走れども集落は見えてこない心細い道であった.西部林道永田側には、岬の断崖に建つ屋久島灯台が あり、闇の洋上を運行する船舶に島のありかを知らせている.
口永良部島 永田川
口永良部島 永田の西北西15kmほど沖には口永良部島がある.上屋久町に属し屋久島の離島であるが、この島は火山を有し趣を異にする. 永田川  永田岳に発する急流.あいにくの曇り空の下、遠望はなかった.晴れていれば永田からは永田岳あたりの奥岳を眺望できる.
related page屋久島灯台と西部林道

 安房は、安房川河口にある島内二番目に大きな町である.屋久杉の切り出しが盛んなころには、切り出された材木の積み出し港として栄えていたと いう.安房川の上流に、広がる原生林の杉を切り出すため前進基地、小杉谷集落が作られ、川にそって輸送用の森林軌道が敷設されていて、切り出された材木を安房に降ろし、 必要な資材をあげていた.役割を終えた小杉谷集落跡地は、草に包まれ自然に帰りつつある.以前、安房港に行ったときには、土埋木が詰まれていたが、先日は見たときには それもなかった.かつては島を潤していたヤクスギは、今観光資源として島を支えるようになった.
 この港は高速船も発着するようになり、安房も観光拠点の町に変わったといえるだろう.ここを起点に、島の中央部奥岳のすぐ元まで延びている安房林道も、 当然森林運営のために作られたのであるが、今は観光道路としての機能を果たしている.林道の先には、ヤクスギの森を散策できる自然休養林
ヤクスギランドがあり、さらに奥には樹齢3000年のヤクスギの大木紀元杉がすぐ道路脇に立っていて容易に訪れることのできるヤクスギの大木だ.
 安房林道から分かれる荒川林道には、縄文杉や大王杉の点在する大株歩道の入口もあって、屋久島の訪問者のほぼすべてが 一度は通過する町といえるだろう.
モッチョム岳 モッチョム岳 尾之間温泉から
モッチョム岳 にゅーとそびえる岩峰は、島南部のランドマーク、モッチョム岳. モッチョム岳 尾之間温泉から尾之間温泉あたりからみたモッチョム岳.

その他  栗生は島南西に位置する漁港のある集落.北西の集落、永田とは西部林道で つながっている.ここから海岸沿いの西部林道を4kmほど北にいったところに、来島した観光客が必ず訪れていく大川(オオコ)の滝がある.
 栗生の南東、中間集落は、巨大なガジュマルの木があって有名である.集落に入っていく細い道路に沿った民家の入口に立っていて、よく探さないと見落としてしまうかも しれない.さらに手前の湯泊集落には、海岸に接した浴槽で有名な湯泊と平内海中温泉の2つの温泉があるが、私は行ったことがない. 中間 ガジュマル ガジュマル
Town_map.gif 宮之浦 永田 安房 尾の間
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