雁峠から甲武信岳 山梨県の山に戻る


雁坂峠 雁坂峠は雲空の下、視界のよいことで有名な峠だけに残念だ. 吹き上げてくる風から逃げるがため、早々にここは出発することにした.

 荒川の上流部に開けた秩父盆地、富士川の上流部の甲州盆地、2つの生活圏が近接していれば 往来の生まれるには人の常.多少の障壁があろうとも道は開かれ利用されてきた.秩父、甲府の往来をさえぎるには、2000メートルを超える奥秩 父の山々とあっては、その峠超えも困難きわまる.大滝村川又から三富村を結ぶ海抜2082メートル、この雁坂峠は、北アルプスを横断する針ノ木峠、 南アルプスを越える三伏峠と並び、日本三大峠のひとつに数えられる.
 甲武信岳から雲取山まで、25kmほどの県境線をはさんで隣接する山梨県と埼玉県.しかし両者を直接つないでいる道路は、かつてこの峠を越えていた 秩父往還をなぞる国道140号のみである.それも、長らく通らずの国道、平成10年長大な雁坂トンネルが完成したことによってはじめて県境は車で越 えることができるようになった.
 




kasatori 雁峠からは、みごとな円錐形の山容を誇る笠取山が一望できる.
 雁坂峠、ここを超えてみようと計画を立てたのは5年ほど前だろうか.何回となく予定していては、 実行されていない.それは、私が秩父側からこの峠を越えることに執着しているのが理由となっている.秩父側の起点、栃本のアプローチはやや困難である.
 東京から出かける場合、西武鉄道で西武秩父駅、秩父鉄道に乗り換え三峰口、さらにバスで秩父湖に達する.ここでバスを乗り換え川又.乗り継ぎが多いから、歩き始めは午後に なってしまう.それから長い尾根伝いの峠路を登らねばならないのだ.峠路は5時間以上かかるだろうから、秋に計画を立てたときには、日暮れに間に合いそうにないと の理由でやめ、また初夏なら万全と準備したものも、当日出発が遅れて、予定の電車に間に合わなくなりとりやめたこともあった.
 三富村側から越えれば、塩山駅は中央線で行きやすいし、ここから西沢渓谷まではバスで1時間ほどしかかからない.しかし、秩父から登ることへのこだわ わりは簡単には妥協できない.私はこの峠が秩父の峠と考えているからである.峠、経路の最高点であるとともに道の中点でもあるから入口に表裏はない.超えていった 旅人の多くは再び同じ峠をもどることになるのであろうから方向に優劣はない.しかし旅の起点は対称とは限らない.秩父の巡礼、三峰山など甲斐より越えていった旅人 もあるのであろうが、より山里である秩父の人々のほうがより切実な峠越えであったはずだ.換金できる商品を背負っては超え、帰路は生活物資を背負ってもどる山越えの 生活道がこの峠であったように私には思える.山里の閉じられた空間から、街道も通り栄えた甲州の町に抜けるその接点がこの雁坂峠であった.
 結局、今回も峠越えは保留にして、雁峠からこの峠にいくことにした.三富村から登ってしまおうかとも考えたが、やはり秩父から越えるというこだわりを捨 てられなかった.それに、今日も明日も、天気は期待できそうにない.この峠は展望のよいことで有名だから、やはり晴れた夕暮れ時、富士や南アルプスの遠望をと願う. そこで、このあたりで、まだ歩いていなかった破風山をはさんだ雁峠から甲武信岳の縦走をこの際やってしまうことにした.この場合でも雁坂峠を通過していくことに 代わりはないのだが、この際仕方ないだろう.峠を通過するのと、越えるのでは異なるのだと納得するしかない.
 塩山駅10時20分発のバスに乗る.新地平で下車し、林道を歩き始める.私がここを登るのは2回目だ.前回、ここから将藍峠に むかってから、はやくも2年が経過している.先の知れた2回目の道は気楽なもので、一気に登ってしまうことにした.  このルートのほとんどは林道歩きである.笹に囲まれ、苔や草が生えた路面に入ると歩道の入口は近い.沢沿いを歩道は進み、対岸に渡ればまもなく 雁峠に立つ.前の時もそうであったが、峠を通り抜けていく風は強い.ベンチのかげにコンロをおき、昼食を作る.
 東にひときわ目立つの笠取山を望遠レンズでみると、その急斜面には山頂を目指す人の姿が名ならんでいる. 秩父側は厚く雲に覆われていて展望はない.天気は期待できないだろう.早々昼食を終え、雁坂峠に向かって出発する.笹の急沢を登っていくと、唐松尾山が視界に入ってくる. 北側に岩峰がめだつ.あれが黒岩であろうか.白石山はこちらからみても幅の広い、滑らかな山容だ.急坂は終え、細い尾根の上をたどっていくと、燕山という2004メートルの ピークにつく.「つばくらやま」と読むようだ.歩道の右脇に山頂があるが、展望があるわけでもなく、そのまま通過ぎる場所だ.下りになり、再び、2044メートルのピークに登っていく. 南側の展望がある場所に出た.ピークを越えると再び南側の展望が開けた.薄曇で遠望ができず残念.この辺の山に私は疎いから、地図をみて確かめると、柳沢峠の北西にある 倉掛山あたりがみえているようだ.
 古礼山の分岐に出た.案内板には0.3キロメートルとあるから、大した寄り道ではないだろう.別にどちらでも良いと思ったけど、時間もたっぷりあることだし立ち寄ることにした. ゆるい坂を登っていくと、すぐ山頂についたがここも、山頂を記す標をみてそのまま出発、南側と違って水晶山側の下りは踏み跡といった感じの結構急坂であった.次の水晶山 、2158mもこれといった特色のある山ではない.前方にその山体が立ちふさがる.左手背後に雁坂峠のものだろうか.笹原が見えている.この水晶山の東側には崩落跡があって、 雲取山山頂からは引っかき傷のある山としてよく目立つ.ちょうどその崩落部の上なのであろう.滝川の谷越しに東側を展望できる場所に出た.和名倉山に続く壁のような稜線が前 に横たわっている.
 ここからひとのぼりで水晶山.ここも、山頂を示す標識で満足、ベンチで一休みした後歩き出す.ここから下りの快適な行程が雁坂の小屋まで続くのみ. 今日は早くも登りから開放されたのだ.小屋の分岐に出た.分岐には0.3kmとかかれていたけれど、なかなか小屋にでない. 青屋根の雁坂小屋が現れ、一日めの予定は完了.

黒金山からみた、古礼山、雁坂峠はこちらのページ
歩道
雁峠の手前
雁峠
雁峠
燕山
燕山
黒川
黒川
古礼山
古礼山
和名倉山
和名倉山方面の眺望
水晶山
水晶山
雁坂小屋
雁坂小屋

本社ケ丸からの眺望
奥秩父の峰々
本社ケ丸のページ
乾徳山林道からの眺望
雁坂峠 水晶山・古礼山
水晶山・古礼山雁坂峠と雁坂嶺
黒金山のページへ
西御殿岩からみた水晶山付近
水晶山
西御殿岩は唐松尾山の東にある眺望にすぐれたピーク.東側からみた水晶山は、その崩壊跡があることから特定しやすい.
雁峠から将監小屋のページへ

雁坂小屋から甲武信岳へ
雁坂嶺
雁坂嶺
三角点
雁坂嶺 三角点.
東破不山
東破不山
破不山三角点
破風山三角点
非難小屋
笹平の非難小屋
コブシ小屋
甲武信小屋
分岐
木賊山と甲武信小屋の分岐.
甲武信小屋
甲武信小屋
水源の碑
小屋裏にある荒川水源の碑.
木賊山三角点
木賊山三角点
木賊山
尾根
黒金山からみた、雁坂嶺、破風山はこちらのページ

黒金山よりみた甲武信岳
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黒金山からみた、三宝山、甲武信岳、木賊山.手前に伸びてきているのが、鶏冠尾根.


情報

雁坂峠 (二万五千分の一地形図). 地図閲覧サービス 国土地理院
交通機関
往路:JR中央線、塩山駅 下車.山梨交通バス 西沢渓谷行き.  山梨交通
帰路:山梨交通バス 西沢渓谷 乗車、塩山駅下車. 山梨交通
所要時間の目安
1日め:塩山駅 >>50分(バス)>> 新地平バス停 >>100分>> 雁峠 >>70分>> >> 古礼山  >>30分>> 水晶山 >>10分>> 小屋分岐 >>15分>> 雁坂小屋
2日め:雁坂小屋 >>15分>> 雁坂峠 >>25分>> 雁坂嶺 >>45分>> >>東破風山  >> >>20分>> 西破風山 >>20分>> 笹平 >>50分>> 小屋巻道分岐 >>15分>> 甲武信小屋 >>20分>> 甲武信岳山頂 >>15分>> 甲武信小屋 >>15分>> 木賊山山頂 >>10分>> 戸渡尾根分岐 >>60分>> 徳チャン新道分岐 >>70分>> 登山道入口 >>15分>> 西沢渓谷バス停 >>60分(バス)>> 塩山駅 
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甲州市 山梨市  雁峠・雁坂峠 (山梨市) 甲武信ガ岳・国師ガ岳 (山梨市)
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