西沢本棚 | 下棚 |
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畦ヶ丸に登るルートは、西沢から登り大滝沢へ下るか、その反対とするかのいずれかになるが、西沢より登るのが普通であろう.西沢の登山路は
新松田駅より運行されているバスの終点、西丹沢自然教室から始まる.入山届けを書き、中川を緑色の吊橋で渡れば、沢の隣にかなりしっかりした道がすえつけらている.
堰堤を越えると、ルートは沢底を伝うようになり権現山の分岐が現れる.続いて下棚の分岐にでる.右手の沢に沿って進むと2分ほどで下棚の前に出れる.高さのある美しい岩肌を見せた滝で、穏やかな流れが
すべり落ちる感じの滝である. 再び先ほどの分岐にもどり沢沿いを登っていけば、まもなく本棚の分岐に達する.ここから滝は見えていないが、左手の沢沿いを伝えばすぐその姿を見せてくれる。60メートルほどの高さをもち、流路は落ち口でやや曲がっていて、風が吹くと水しぶきをあたりにばら撒く 豪快に落下する滝だ.本棚の正面には、丹沢一の高さをもつという枯棚と呼ばれる滝もある.残念ながらこちらの滝は水の少ない季節には露岩といった感じになってしまう. ここから先、山頂までさほど楽しみはないから、ここで滝を十分鑑賞し楽しんでから出発すべきだろう. 分岐まで戻り、沢伝いに登っていき、左手の尾根に上っていく.滝の水音が響いているから、本棚の近くにいるのであろう. この先は木段の整備された植林中の登りに入り、終えて稜線に出る.善六のタワはこのルート中、唯一ともいえる眺望のある場所で、西沢の沢筋を見ながら一休みす ることにした.こぶをひとつ越えると、同じように北側のモロクボ沢から上ってくる沢と西沢の源頭が接し、尾根の両側がえぐられた 乗越がある. さらに尾根を伝って進むと、はしごが現れ、この先から、山頂にむけた急登が始まった.山頂はやや広くなった場所に三角点がありベンチが備えられているが、樹林に囲まれ視界はな い.
大滝沢に下る 下山は登ってきた往路を下るか、東海自然歩道の整備されている大滝沢を下るかのどちらかになる.時間的にはそれほどの違いはなく、大滝沢に下ることにした. ルート途中の大滝沢から少しはなれたあたりは、新緑や紅葉に染まったみごとな森を楽しめるから、これらの季節であれば、大滝沢へ下るべきだし、あるいはこちら から登るのがよいかもしれない. 頂上から100mほど先でモロクボ沢の頭に向かう道が分れ、左側に避難小屋が建っている.モロクボ沢の頭は、主稜の1ピークで、畦ヶ丸は、このピークから 南に分かれた尾根の上にある.地図のコースタイムで20分ほどであって、大滝沢から登ってくる東海自然歩道はここから主稜に入り菰釣山などを経て、山中湖方面 へ抜けていく.大滝峠上までは尾根の上の道、稜線に沿った急な下りがしばらく続く.段の組まれた下りの連続に、だんだんうんざりしてく るが、あたりは、ぶなの大木も多い天然林に囲まれていて、視界は美しい.このルートは東海自然歩道として整備されていて標識も多く、 道筋ははっきりしている。非難小屋の前から30分ほどで、ベンチが設置されている大滝峠上の分岐に出た. もともと東海自然歩道はここから、大又沢の源流部の信玄平を経由して城ヶ尾峠に向かっていたようであるが、荒廃がはげしく 今歩いてきた尾根上の道に付け替えられたようである.また、ここを直進すると大滝峠を通ってさらに南の二本杉峠に向かっているが、 荒廃しているとの注意書きがある.左折し5分ほど尾根の上を歩くと道は直角にまがっていて、沢筋に降りるようになっている. 沢底に降りるとステタロー沢の標識があり、渡渉もある沢沿いのルートをたどることになる.この沢も規模の割には広く、白っぽい沢底と合わさって 明るい感じで気持ちのよい下りだ.小さな堰堤があって一軒小屋避難小屋の前に出る.小屋の前でステタロウ沢は北側から流れてくる鬼石沢と 合流するが、こちらの鬼石沢がこれから下っていく大滝沢の本流で、沢の脇につけられた歩道を下る. 歩道横の沢の流れは時に滑らかな岩肌をすべり静かで美しいが、すぐ下流で状況は一転し険阻な一画が待ち受けている. 沢の下流側がすっぽりえぐり取られてしまったような感じの標高差があり、数十メートルあるという雨棚の落差が待ち受けている. 大滝峠の方から流れ下ってきた地獄棚沢も、やはり地獄棚となって、この一角に落下する. 歩道はこの部分を避けてつけられていて、それらを見ることはない.沢を離れ左に折れてしばらくは暗い林の中を進む.枝沢の源頭では、これを 越えるために木橋がかけられていたが朽ちかかっていた.ふたたび大滝沢の流れに近づいたところにベンチが設けられている.腰かけて、沢の方を見 下ろすと林中に堰堤が見えていた.沢上に目をやると、稜線まで一面に緑一色の木々が葉に覆われていて、丹沢の奥深い森といった趣でとても美しい. 歩道は少しだけ折り返し、北側のマスキ嵐沢に降り、この沢沿いを下っていく.2つ続く堰堤の上段で、さきほどまで ずいぶん下に見えていた大滝沢本流の流れと合わさっている.木製のはしごを使って堰堤の下の河原に降り、 流れを渡って向かい側に続く踏み跡をたどり、再び流れを渡る. 水の流下する音がひときわ大きくなってくる.堰堤の下には滝があり、これを見下ろすように歩道は進む.今にも崩壊しそうな岩があって 角ばった真新しい落石が歩道に散らばっている. 木立の間から見える滝は、水量が豊富で水音もひときわ大きい.2段になっていて、1つの滝とみるには両断は少し離れ過ぎているかもしれないが、 合わせれば30メートルぐらいの高さであろう.滝下には青々とした渕が広がり、白っぽい岩質を滑らかに削った姿は美しい.少し下った場所にある堰堤のすぐ 上に河原へ降りる踏み跡があって、ここから沢を遡っていけば滝の下に到達することもできる. この滝の観賞を終えれば、あとはバス停に直行するしかない.歩道は植林の中を下り林道に変わる.発電所の取水堤の脇をとおり、車道を下っていく. 並走する沢を見下ろすと、このあたりも小滝や渕が点在している.1kmほどで林道は終わり、バス停のある新大滝橋に出る. |
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堰堤が終わると権言山への分岐が現れる. | ||||||||||||
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山頂から、大滝沢側に下りはじめるとすぐ畦ヶ丸避難小屋がある.小屋の前がモロクボの頭方面の分岐となっている. | ||||||||||||
山頂からの下りは、ブナの大木も多い自然林の中の急坂。やがて、植林に変わり、大滝峠上の分岐に出る. | ||||||||||||
大滝沢の新緑. | ||||||||||||
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訪問のために
<バス> 小田急線新松田駅から、西丹沢自然教室前下車. 富士急湘南バス 0465-84-0093 中川 中川 |
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