檜原都民の森として整備されている三頭山、奥多摩周遊道路が接し、秋川最奥の集落である数馬から送迎バスも 運行されている。
これらを利用すれば、スタート時点の標高はすでに1000m。残すところ、わずか528メールで 、1時間強で山頂だ。
山頂のひとつである西峰では富士山を眺望できる。奥多摩に富士を見れるピークは多いが、三頭山は直線距離が 短く、もっとも均整な姿を見せる位置にあって、もっとも優れた富士の展望台だ。
より広範に自然林が残されている三頭山、新緑、紅葉と色彩豊かな季節に訪れたい山。
檜原都民の森として整備されている三頭山、奥多摩周遊道路が接し、秋川最奥の集落である数馬から送迎バスも 運行されている。
これらを利用すれば、スタート時点の標高はすでに1000m。残すところ、わずか528メールで 、1時間強で山頂だ。
山頂のひとつである西峰では富士山を眺望できる。奥多摩に富士を見れるピークは多いが、三頭山は直線距離が 短く、もっとも均整な姿を見せる位置にあって、もっとも優れた富士の展望台だ。
より広範に自然林が残されている三頭山、新緑、紅葉と色彩豊かな季節に訪れたい山。
三頭山への登山ルートは、秋川側、奥多摩側、南西に延びている多摩川南岸の尾根筋伝いの3つに分けて考えることが可能であろう。
1つめの秋川側ルートでは、檜原都民の森から登るものが、整備されたいくつかの歩道を組み合わせて 三頭山山頂に達することができ、奥多摩周遊道路によるアプローチによって登高を稼げることから他に比較してはるかに容易であり、 大部分の登山者はここから登っていると考えられる。
また、奥多摩周遊道路の秋川側起点となっている数馬から都民の森へ登る歩道や、数馬から笹尾根の慎寄山に登り、南東から 尾根を辿って三頭山西峰に直接登るルートもある。
2つめは、北の多摩川側から登るもので、小河内神社からドラム缶橋で奥多摩湖を渡るヌカザス尾根ルート、 青梅街道から小菅方面に向かう分岐となっている深山橋を起点に登るムロクボ尾根ルートの2つと、奥多摩湖南岸、山のふるさと村から 鞘口峠に登っていくルートがある。
3つめは、多摩川南岸の尾根筋を縦走していくもので、まず御前山に登ってから尾根筋を辿って三頭山までいくか、三頭山東側の風張 峠を通過している奥多摩周遊道路から往復することになる。また、これらとは反対に西から山頂に至るルートもあって、上野原と小 菅を結んでいる鶴峠を起点として山頂に登ることも可能だ。
三頭山は、秋川の最奥部に位置する1528メートルの山である。東端を日ノ出山あたりにもち、御岳、大岳、御前山と続いている 多摩川と秋川の間の尾根筋がこの三頭山に至ると、秋川の南に伸びる笹尾根と合わさり、その水源域西縁を形成している。
奥多摩三山と呼ばれる多摩川南岸の尾根筋に並ぶ主要ピークのひとつとして、この三頭山も数えられているが、東の御前山との 間に標高1147メートルの月夜見山もあり、ここで稜線は一段低くなっていることから、この山だけが西のはずれに孤立している 感じだ。
どこから眺めてみても、その存在が一目でわかる特異的な形状をもつ大岳山、直線で構成された稜線、複雑に切れ込んだ谷筋を特 徴とする御前山の強い個性に比べると、丸みをおびたピークがポツポツ並ぶだけの三頭山の遠望した山姿は今ひとつさえない。
山頂は、西峰、中央峰、東峰の3つのピークがあり、東峰1527mに三角点があるが、広い西峰が実質的な山行の対象で
あり、南西の切り開きの先に見える富士の眺望が素晴らしい。北側には多摩川北岸の石尾根の山々の展望もあり、ちょうど真北には
鷹ノ巣山が位置している。
鷹ノ巣山からみた三頭山 |
檜原都民の森の中を縦横する数々のルートが整備されてい三頭山南側からのアプローチに比べたら、北の奥多摩湖側から登る ルートの利用者はほんのわずかである。
檜原都民の森の入口もある奥多摩周遊道路は、小菅川にかかる三頭橋から山のふるさと村 に向け湖岸を東に向けて進むが、この奥多摩湖南岸の車道から2つ登山ルートが始まる。それぞれは別の支尾根を登っていくが、ヌカザ ス山の南で両者は合流し、三頭山西峰にむけ高度を上げていく尾根の背を進むようになり、三頭山中央峰との間のコルである御堂峠で このルートは終焉している。
このうち東側に入口があるのがヌカザスルートであり、ドラム缶橋を渡る特異なコースとして知られている。 公共交通機関によるアプローチは、奥多摩駅から運行されている丹波、小菅方面に行くバスである。バスが奥多摩湖バス停を過ぎる と湖北岸を辿っていき、鮮やかな赤色に塗装されたトラス橋、峰谷橋を渡る。この峰谷橋が越えている峰谷川右岸の尾根が奥多摩湖 に沈む場所に小河内神社があって、尾根の下を横切るトンネルを越えるとその入口になっているバス停があるので、バスを降りコン クリートの階段を下りてドラム缶橋を渡る。
この橋は名が示すとおりドラム缶で作られていた時期もあったようであるが、現在の橋は樹脂製のフロートをつなげた浮き橋で、 水位の変化に対応できるようになっている。湖面すれすれを歩く違和感、見上げる奥多摩湖の湖岸、その先に見えている山々、対岸ま での距離は短いが、山頂までの長い道のりのスタートとして充実している。
橋を渡り終えたところから左手に進むと、南岸につけられている探索道に合流する。この歩道は山のふるさと村まで続いていてい るが、ヌカザスルートへは木段を登り周回道路に出て右に進む。車道をしばらく歩くと湖北岸にオレンジ色のトラス橋である麦代橋 が見え、登山ルートの入口が現れる。
擁壁の上に始まる急な登り、他の奥多摩の山々と同様にしばらく植林が中心である。歩道の右手が松林になって、西に大寺山の白 い堂が見えてくる。もうしばらく登った先でコブへ上がると、尾根の背に出た感じになり、奥多摩湖を跨いでいる深山橋も見える。 稜線のでこぼこが続いて、979mのピークであるイヨ山に出る。
このピークから一端下って登りなおしになると、地形図にある1020メートルのピークと思われる少し広くなった場所が現れ、 その先にある整備された歩道が合流しているコルを過ぎると、急登が始まりヌカザス山へ向け登っていく。
ヌカザス山を越えるとそのすぐ先にあるコルでは、モロクボ尾根の歩道が合流している。ツネ泣き峠に出たところからが、この ルート一番の難所であり、入小沢の峰へよじ登っていく感じの急斜面の登りが始まる。ロープが張られているところもあり、踏み跡や これらの手がかりを追って登ることになり注意がいる部分だ。
斜面の途中に右手に歩道が現れ、ピークから西に伸びた尾根に向かっているが、こちらもすぐ細っていって踏み跡になってしまう。 尾根の上に出た場所で左手にもどりピークへ向けて登っていくと、小菅村の玉川から来る作業道に出ることができ、入小沢の峰を越え た先にある分岐に出ることができる。
入小沢の峰は標高1302メートルで、山頂まで残すところ200メートル弱だ。距離的には、ルート半分を過ぎたあたりであるが、 ここから先には、前半のような急勾配はなく自然林の中の道を追うだけで快適だ。鶴峠の分岐が現れ、三頭山1.1kmの表示がある。 ゆるい登りを進むと、尾根は西峰に向かって登っていくようになり、歩道は左手の谷側にそれていき、ついに御堂峠に出る。
都民の森の歩道へ合わさり、右の木段のある歩道を登ればすぐ西峰に出る。左は中央峰、東峰を経て、鞘口峠に向かうルートだ。
奥多摩駅(バス) 30分 小河内神社バス停 20分 登山道入口 40分 イヨ山 15分 糠指山 10分 ツネ泣峠 25分 小入沢の峰 5分 鶴峠への分岐 20分 御堂峠 5分 山頂(西峰)
山頂(西峰) 5分三頭大滝の分岐 5分 避難小屋 10分大沢山 10分大滝への2つめの分岐 25分原の分岐 10分槇寄山 40分民家 5分檜原街道 5分数馬バス停 |
東京都と山梨県の境界線は、多摩川の支流である秋川の水源域外縁を取り囲み、北上し奥多摩湖を突っ切って雲取山山頂へ達します。 奥多摩三山と呼ばれている多摩川南岸の山々の中最西に位置するこの三頭山は、この西縁の都県境界線上にピークを有しています。
秋川の最奥部となるこの山頂南東側一帯は、檜原都民の森として整備されていて、奥多摩湖と秋川を結ぶ奥多摩周遊道路の秋川側、 標高1000メートルの場所にその入口があります。ここを起点とし、整備のいきとどいたルートを使い三頭山へ登るのが一般的とな っています。
都民の森は、自家用車によるアクセスが可能であり、南秋川最奥、武蔵五日市駅からバスが運行されている数馬から無料送迎バ スが運行されていることから、秋川側からアプローチする三頭山は奥多摩の千メートル峰でもっとも容易に登れる山となっています。
都民の森の中を周回するように設けられたブナの路と名づけられた歩道を歩くことで三頭山山頂へ登ることができ ます。どちらから入るかで2つの経路があり、一方を登りにとり他方を下山に使うのが普通です。
バス停のある駐車場のところから北西に向かう舗装された車道を歩いていくと、森林館などの施設が建っている場 所に出ます。施設の下を越えて、ほぼまっすぐ登った先に奥多摩と秋川をつないでいた鞘口峠があり、ここからブナの 路は西南西に、三頭山を形作っている東西に長い稜線を追うようにつけられています。
公園内に設けられた散策路を合わせながら、見晴らし小屋、展望台などの施設を経て東峰、中央峰に登ることができ、 御堂峠を挟んだ先にある西峰まで辿ることになります。
もう一方の入り口は、森林館前より引き返すように南に向っている大滝の路に入り、三頭沢にかかる大滝を観賞して からムシカリ峠に出る経路で、こちらはまず西峰に登ることになります。こちらのコースは、スタート直後は緩い探索路 を歩くことになり、結構落差があって見事な三頭大滝の探勝を経て、沢を詰める登りになります。周囲の自然林も変化 に富み魅力的なコースであることから、私は、常にこちらから登って鞘口峠側に下るようにしています。
大滝の路へ入ると、幅の広い緩い歩道が続きます。奥多摩周遊道路が下に見えるようになり、右手におれていくと あずま屋があって、ここから左手に折れていくと三頭大滝の前に出ます。滝見橋という大きなつり橋が懸けられていて、 滝を正面で観賞することができます。
この橋は行き止まりであり、戻って、歩道の続きを歩くと路を分けています。ここから、沢沿いをムシカリ峠に向 かっているのが、ブナの路でこちらを進み沢の源頭まで詰めるとムシカリ峠に出ます。
ムシカリ峠は西峰の南南東にあって、右へ進むと山頂で急な木段の登りを終えれば西峰に出ます。 峠から南に進むと、避難小屋の前を通って大沢山に登りなおして、尾根沿いを下り槙寄山、西原峠を経て 数馬まで下ることができます。
広い山頂部を持つ西峰1524メートルが三頭山の実質的な山頂であり、ここで昼食を取り、下山に入るこ とになります。西峰の南西側は切り開かれていて、秋から初春の空気の澄んでいる時期、その正面に鎮座する富士 の姿は見事です。北側の樹間には、鷹ノ巣山を正面に、石尾根を始めとする多摩川の北岸の峰々が並びます。
下山は、ブナの路の続きを辿り鞘口峠から駐車場にもどるのが一般的ですが、往路をもどってムシカリ峠から 数馬側に下ることもでき、また西峰の西端には鶴峠へのルートがあってこれを下山する方法もあります。
西峰と中央峰の間には御堂峠があり一旦ここへ下ることになります。ここへは、ムシカリ峠側の巻き路が合流 し、北側には奥多摩湖へ下るルートが分かれていきます。峠からひと登りで、三頭山最高地点であ る標高1531mの中央峰、その先には三等三角点の設置されている東峰があり、展望台が設けられていて奥多摩側 の眺望があります。
この先で下りが始まり、一旦下り終えると平坦な稜線を進む部分が続きます。都民の森の中には、交差する いくつかの散策路が設けられていて、この先それらへの分岐が現れますが、下山路としてみた場合には、ブナの 路をそのまま鞘口峠まで下ってしまうのが無難です。
再び下りに入ると、野鳥観察小屋の分岐があってコマドリの路が分かれています。その先には見晴小屋が 建っていて、右手に探鳥の路がわかれています。その先の陽光の路が分けると、鞘口峠に向けた下りになり、ま もなく峠に着きます。
峠には、奥多摩湖湖畔にある山のふるさと村から登ってくる登山道が合わさっています。東にそのまま直進す
ると奥多摩周遊道路が越えている風張峠に続き、さらに月夜見山を経て稜線は御前山まで続いていて、健脚者の
縦走路になっています。
右に折れればまもなく工芸センターに出て、森林館の下のトンネルを越えて、駐車場に戻ります。
武蔵五日市駅 65分(バス) 都民の森 25分 三頭大滝 50分 ムシカリ峠 20分 山頂(西峰)10分 東峰 25分 見晴小屋 30分 鞘口峠 5分 工芸センター 5分 都民の森バス停