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Title:大岳山
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新しいページ 2011年1月
 
三つ釜 三つ釜
三つ釜の滝 傾斜の緩い最上段
 三つ釜の滝は5段からなる段瀑であり、そのうち3つに釜があることからこう呼ばれているのだろう。 河原から見えているのは下部の3段で、残りの2段は滝の横につけられている鉄製のはしごを登ると 見ることができる.
 
ネジレ滝 大滝
ネジレ滝 大滝

海沢渓谷の写真はこちらにもあります.

滝見遊山  国内のさまざまな滝を訪問しいてきた記録は、滝見遊山のページにあります.ご覧ください.


 青梅線の白丸駅と奥多摩駅の間にあるトンネルは、 本仁田山から南に伸びるゴンザス尾根を貫くものである.多摩川の流れもこのゴンザス尾根を削り落とすことはできなかった.大岳山は奥多摩駅の南 東に位置する.大岳山北面を源とする海沢はこの多摩川の屈曲部にむけて北上する.海沢の中流域には、三ツ釜の滝、ネジレ滝、大滝と3つの滝が 懸っている.大楢峠に向かって海沢林道が通っていて、これらの滝をつなぐ探勝道も整備されていて、これらを訪れるのは容易である.
 整備された探勝道は大滝にて終わるが、 この海沢をつめて大岳山に登る登山道が続いている.沢に沿って登っていくから急な登りであるが、 大滝はすでに標高で700メートルほどあり、残る山頂との標高差は600メートル弱、1時間半ほどで大岳山の山頂に立つことができる.
 海沢探勝道の入口までは、奥多摩駅か白丸駅から歩いても1時間ほどである.今日は出発が遅かったから、海沢林道の途中までタクシーで入ることにした. タクシーを降り、林道の下を流れる深くえぐられた渓谷を覗き込みながら歩いていくと、対岸に井戸沢の合流する天狗岩の滝が落ちている.小さな滝であるが、見え ているのは最下段のみで、木立の中にかくされた上部を含めるとけっこう高いようだ.今日は水嵩が多いせいか、林道からも上の段の一部が見えていた. この沢の遡行者が利用するのだろうか、角の岩の奥から本流の沢底に下る踏み跡がある.雨の後で足場は悪かったが、岩に根を下ろした木々の枝を頼りにして 降りていくと、滝を前にみることができた.
 トイレとあずま家が建っている探勝道の入口から堰堤を越えて、河原を進めば三ツ釜の滝の下に出る.前に見えている3段の滝が、三つ釜の滝だと思いそ のまま引き返していく人もいるようだが、右にある鉄製の梯子を登らなくては肝心の釜を見たことにならない.この滝は滝自体の落下よりも、岩を大きくえぐって 水を蓄える釜の方が美しい.
 ネジレ滝は大きな滝ではない.2段に落下し、そのそれぞれ流路が異なっているのでこの名がある.岩に覆われた両岸、流れは狭まり、手前の岩が邪魔 をして真正面に立ってはじめてそのその姿を見る.岩の危うい歩道を伝い、自分自身が挟まれた岩の中にいるという閉塞感と、岩に反響してくるゴーという轟きに、 少し怖さを感じた.
 ネジレの滝で行き止まりになっている探勝道を引き返し、大滝に向かう植林中の歩道にもどる.枝沢の源頭部の岩場を越えると、少し広い場所にでる.下の方から サーサーという滝の音が聞えてくるのが、大滝である.急な歩道を降り、大滝の前に立つ.大滝の下は、ちょっとだけ広い河原になっていて、狭い沢の中に開放 感を味わう.ネジレの滝と対照的だ.木々の葉に覆われた高さ20mの大滝がふるまう水しぶきで、ここはいつでも涼しい.もう2カ月も後なら、紅く染まった木々の中の 滝を見れるだろう.木々の葉の切れ間の空は曇り空であるのがうっとうしい.
 滝の見物はこれにて終わり、丁寧にも悪路と書かれた指導標の指す大岳山に向けて出発する.勾配はいくぶんきついながらも、忠告に反して道は確かである. 続いて植林中の穏やかな道を進む.左下の沢底から響いてくる水音も少し強くなった.道はやや下り勾配となり、ワサビ田の作られた沢と同じ高さになった.道が良かっ たのは、このワサビ田の手入れのためなのかもしれない.ここで急に踏み跡が消えてしまったが、対岸のワサビ田の上に続きを見つけた.さらにもう一つワサビ田が現 れ、少し上で沢は分かれている.古い道標は左側の沢を指していた.
神社 林
鬱蒼とした森に囲まれた大岳神社
 ここから先は傾斜も増し道もよくない.その上今日は雨もいよいよ落ちてきて、ぬかるんだ地面に足をとられる. 沢音はどこかに消え、やがて水の枯れた沢に沿って登るようになった.木々の間の空は近くなったように感じる.尾根も間近だろう.源頭の急斜面を登ると狭い尾根の背に出た.山頂から真北 に降りてくる尾根で、南側のすぐ下には水のある沢が流れている.この尾根を登っていくと大岳山の肩に出る.
 鋸尾根の稜線上の歩道にぶつかる.立っている指導標にしたがって左にいけば、山頂部の急な登りに入る、まもなく山頂に着く.大岳山山頂は広々としていて、二等三角点を示す標石 がある.南から西にかけて木々がないから展望のよさが売り物の大岳山山頂ではあるが、今日は曇っている.一休みして頂上を後にした.ここから鋸尾根を奥多摩の駅に出るのも良いが、 私は秋川に下ることにした.馬頭刈方面の指導標にしたがって進むと、岩の露出する急な下り道.続いて杉の大木が鬱蒼とたち並ぶ神社の横に出る.参道を下っていくと鳥居が立ち、すぐ下に は大岳山荘がある.ここから御岳方面にいく道が分岐している.
 馬頭刈尾根に向かう左の道を進めば、しばらくは平坦な道が続き、鋸山方面の分岐が現れる.地図にある山頂を迂回している道であろう.次に現れる分岐は檜原白倉へのものである. ひとつ先のツヅラ岩のところで千足に下る道もあるから、どちらを下るべきか迷ったが、時計は15時を指している.今日は、ここを降りてしまったほうが無難であろう.つづら折になって植林中を おりていく道は単調でつまらない.海沢を登りルートに取ったのは正解であった.こちらから登ったのでは途中で嫌になっていたかもしれないと思い つつ、いつ終わるとも知れない道を下っていく.
白倉分岐
白倉への分岐
 植林中で視界がないから、その姿は見えないが、 自動車の音が聞えてくるようになった.歩道の右上に祠が現れ、すぐ車道に出た.車道を歩いても、歩道を降りてもバス停まではいずれも16分と表示がある.歩道を選んだ.ここが参道の起点なのであろう、鳥居が立っていた. その先、歩道は分かれているがどちらでもバス停に出られるようである.左を選び、竹林を降りて行くと、川を渡り民家が並ぶコンクリートの道路に出た.急な舗装道路を下っていくと、右に近道がある.ここを駆け降り白倉のバス停につく.


訪れるにあたって
<地形図> 武蔵御岳、五日市(二万五千分の一). 国土地理院地図閲覧サービス (武蔵御岳)
<交通機関> 往路:JR青梅線奥多摩駅から林道までタクシーを使うと約1500円. 帰路:武蔵五日市まで、西東京バスが時間あたり1本を運行しているが、 夕方5時代のようにまったくない時間帯もあるので注意が必要.白倉から五日市駅まで は約35分、520円.西東京バス

1999年9月現在.

所要時間の目安
奥多摩駅 >>15分(タクシー)>> 林道 >>25分>> 三つ釜の滝 >>5分>> ネジレ滝 >>10分>> 大滝 >>30分>> 2つの沢の合流点  >>35分>> 尾根上 >>15分>> 大岳・鋸岳間の歩道 >>5分>> 山頂 >>20分>> 神社 >>35分>> 白倉分岐 >>50分>> 車道 >>15分>> 白倉バス停
奥多摩駅から探勝道入口までは、歩いて1時間強である.白丸駅からもほぼ同距離.


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