八ヶ岳の主峰、赤岳.
ピークの南側は切れおちていて、このキレットをはさんだ南南西にツルネという平坦な小ピークがある.
ここに立つと 南南東から突きあげている天狗尾根の上に連なった異様な尖塔が目を引き、火山である赤岳の、また一味違う姿に出会える.
八ヶ岳の主峰、赤岳.
ピークの南側は切れおちていて、このキレットをはさんだ南南西にツルネという平坦な小ピークがある.
ここに立つと 南南東から突きあげている天狗尾根の上に連なった異様な尖塔が目を引き、火山である赤岳の、また一味違う姿に出会える.
日本の高山は、飛騨、木曾、赤石山脈に属する山々でほぼ占められているといえる. 標高の順位で上位の50まで追っていっても、通称アルプスと呼ばれているこれらの山脈に属していないのは、 富士山3776m、御嶽山3067m、それに八ヶ岳の最高峰である赤岳2899mとわずか3つしかないのは意外に感じるだろう. さらに100位まで追っても、横、阿弥陀、硫黄、権現と八ヶ岳の峰々が次々に追加される以外には、わずかに白山が加 わるのみである.
山梨県と長野県との県境部に並ぶ八ヶ岳は、麓に広がる清里や蓼科といったリゾート地とともに知れわたって いるが、それらの高原の上にある峰々は高く、火山のもつ荒々しい景観を含めて、山頂に立てばその達成感も十分な 本格的な登山対象となる山々である.
しかし一方で、登る山としてみたときの八ヶ岳は、アルプスの峰々に比べたら敷居が低いことも確かである. 最高点でもあり主峰ともいえる赤岳、その起点としてよく利用されているのは長野県側の行者小屋であるが、ここの海抜 は2350m、山頂まで残すところわずか550mと標高差は小さい.登路はいくらか急だとはいえ、山頂までわずか2時間 の行程で終わってしまう.
もちろん、この小屋への登りも加えなければならないのであるが、その登り口となっている美濃戸の別荘地あたりでも海抜は1500 m.半分は車道歩きとなるルートを、土曜日の午後のんびり歩いておき、翌朝山頂に立って夕方には東京にもどることも 可能だ.中央線、中央道とアプローチにすぐれているから、週末を利用した気軽な山行を楽しむ適した山々といえる.
その上、景観のよさも八ヶ岳の魅力に加わる.火山ゆえに山頂部は険しく、岩々によって構成された切れ立つ稜線、 そこから見下ろす直下の樹林帯は新緑、紅葉と四季その色彩を変えていき、冬がくれば深く積雪しモノトーンな風景を 提供する.八ヶ岳は四季おりおりの景観の変化を堪能できる山である.
樹林のない山頂部からは、眺望もよく、南に位置する富士、南アルプス、西の北アルプス、東は奥秩父の山々と、 その対象は多い。 反対に、遠くから眺める八ヶ岳もまた良いもので、広がる麓のなだらかな斜面の上に乗った突き出たピーク群、春夏 秋冬、山野の変化を前景にした高い峰々は、見る山の魅力にも満ちているといえる.
八ヶ岳を反復して訪れる人は多く、通いだしたら毎週でも行きたくなるような魅力をもつ山であることは確かであろう.
赤岳展望荘と赤岳東面.この横岳側からみた東側の斜面はもっとも良く知られた赤岳の姿であって、 その巨大な平面の上に乗った山頂は、単に海抜が高いだけでなく、この山が八ヶ岳の主峰たることを印 象づけるものだ.
西側行者小屋から上がってくる地蔵尾根ルートが、稜線に達するのが赤岳展望荘が建つ横岳と赤岳の 鞍部であり、どちらのピークに登る場合でも、ここから最後の急登が待ち受けている.
阿弥陀岳から見た赤岳. 阿弥陀岳は鞍部にある中岳をはさみ赤岳と対峙している.中岳(手前)に続く稜線のすぐ
南側を登っていく登山ルートを確認することができる.赤岳の山頂右側にやや離れたピークは竜頭峰.
編笠山の山頂から見た春の赤岳.稜線を左に追っていくと中岳のピークがあり、その背後には横岳も見えている.
中岳の左側にとびでた丸いピークは横岳の西北の岩峰大同心のものであろう.
天ノ原から見あげた冠雪した赤岳.天ノ原は甲斐大泉から三ツ頭へ登る登山道の途中にあり、赤岳方向の眺望がある.
赤岳鉱泉よりみえる赤岳.山頂は、三角点のある南峰と小屋の立つ北峰の2つのピークがある.
赤岳山頂.手前が三角点のある南峰、50メートル程はなれて北峰があり、赤岳頂上小屋が建つ.
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| 赤岳登山の拠点、行者小屋 |
横岳.阿弥陀岳から.
遠方から眺望したとき、横長のほぼ平らな山頂として見える横岳稜線は、奥ノ院とよばれる主峰のほか、三又、石尊、鉾日の岳、 三十三夜など小さなピークが連なる.
左の写真は阿弥陀岳山頂より写したもので、横岳稜線に向けて這い上がる細かな沢筋のなす 切れ込んだヒダが並んでいるのがわかる.
稜線の主峰部分の左下に大きな岩塔である大同心が確認できる.
赤岳鉱泉は、横岳の西、柳川北沢にある.山頂方向を見上げると、最大の岩塔である大同心
が目につく.
横岳.
大同心.
横岳山頂部、杣添尾根の分岐点手前よりみた富士山.
横岳 北沢から
地蔵尾根からみる横岳.
赤岳の南の鞍部であるキレットはガレ続きの気を抜けない登りが続く. 立場川の対岸には阿弥陀岳があり南稜が伸びている.
文三郎道上部から阿弥陀岳.手前のピークは中岳.
横岳よりみた阿弥陀岳北面.手前に見えている岩塔が大同心で、踏み跡がついているのがみれる.
美濃戸の車道から見える阿弥陀岳の西面.
硫黄岳登山道よりみた阿弥陀岳 摩利支天につきあげる北西稜の直線が印象的である.
編笠山よりみた初春の阿弥陀岳.こちらからみる阿弥陀岳の山姿は、平らな台形の南斜面が中心となり均整のとれ
たもっとも美しい姿である.
権現岳側からみた阿弥陀岳.
赤岩の頭側からみた硫黄岳.赤岳鉱泉から硫黄岳登山道を登ると、樹林帯を終え赤岩の頭に出る.ここは展望が良く、硫黄、横、赤、阿弥陀と
八ヶ岳の峰々を見渡すことができる.
横岳側からみた硫黄岳
硫黄岳山頂の北縁は切れ落ちている.その下に広がる麓といく重に重なる背後の山々の稜線がすばらしい.
硫黄岳の山頂は広い.礫の広がる山頂部の先にはその先に北八ヶ岳の天狗岳が見えている.
阿弥陀岳山頂から見た硫黄岳.
天狗岳より見た八ヶ岳の主峰.すぐ前にあるのは根石岳で、左手に夏沢峠をはさみ切れ落ちた硫黄岳北東の断崖が見える.
その後ろに突き出た2つのピークは赤岳と阿弥陀岳のもので、両者の間に中岳、さらに阿弥陀岳の右には編笠山が確認できる.
権現岳.西岳山頂から.
三ツ頭と権現岳.
権現岩.
編笠山.西岳山頂から.
編笠山は赤岳の南南西の方角に位置する連峰最南のピーク.円錐状の山頂部が特徴で、木々のない山頂部に立てば、 北には南八ヶ岳の主要峰が並び、南側には南アルプスと展望に優れたピークである.
山頂の北側鞍部に青年小屋があって、八ヶ岳の縦走路南側の出入口といえるが、山梨県側は観音平、長野県側は麓の富 士見地区からルートがついていて、この山のみの日帰り山行も容易である.
夜明けの富士.青年小屋より
山麓の富士見よりみあげる編笠山.
青年小屋と編笠山.
山頂北側に立つ青年小屋.
編笠山山頂からの眺望.阿弥陀岳、中岳、赤岳が並ぶ.手前右は権現岳の尾根.
西岳
白駒池.高見岩より.麦草峠から丸山を超えたところに高見石小屋がある.小屋の裏手が高見石で、すぐ下に白駒池が見える.
天狗岳.夏沢峠を堺にして八ヶ岳連峰は南北2つに分けられる.したがって、夏沢峠のすぐ北に位置する天狗岳は北八つの山ということになる.
中山峠からみた稲子岳南壁.硫黄岳から稲子岳にかけて、東側は抉り取られたように高い壁になっている.
この壁の下に広い谷間が広がり、稲子の湯がある.
雪の八ヶ岳.西岳より.
東京では桜の開花も近い三月下旬、八ヶ岳は、まだ雪に覆われ、冬の姿のままです.八ヶ岳南端の編笠山と西岳は、登山口となる不動 清水で海抜1350mあり、ぞれぞれ1150m、1050mの登高を残すいずれも日帰り可能なピークです.
不動清水に始まる登山道は樹林帯を登っていきますので、危険個所もないまま山頂まで容易に登れ、 展望の優れたこれらの山頂に立てば雪に閉ざされたままの八ヶ岳を鑑賞できます.


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