alternative tourism
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甲斐駒ケ岳 山頂

直登ルート分岐から山頂を見上げる.

甲斐駒ケ岳

摩利支天は、山頂の南東に位置する花崗岩の岩峰. 北沢峠バス停を出発、北沢に沿った歩道を登っていけば、1時間程で仙水峠. ここは、甲斐駒の全貌を見ることのできる場所で、対となった山頂と摩利支天を見上げることに なり、その迫力に圧倒される.ここですでに山頂は見えているのだが、そこに達するまでの長い道 のり、登山者はためらいながら駒津峰への登りに出発することになる.

仙水峠

摩利支天分岐から細い踏み跡を辿り摩利支天へ登り、眺望を楽しむことにした.

ほぼ南に鋭い北岳のピーク、その後ろに間ノ岳の幅広い稜線が遠望できる.すぐ下には、さきほどここを見上げていた仙水峠がある. 双児山の尾根から駒津峰の稜線が見え、藪沢カールとそれを取り囲むようにでこぼこの峰々が並んだ仙丈ヶ岳の姿がそこにあった.

maps

地形図:甲斐駒ケ岳(25000分の1).

LINK国土地理院地図閲覧サービス

Yahoo地図情報で駒ヶ岳をみる.

登山用地図

私の愛用しているのは、「ヤマケイ登山地図帳4 北岳・甲斐駒・仙丈−南アルプス北部」と、ゼンリンの 「登山ハイキング7 北岳甲斐駒」の2種であるが入手できない.

Transportations

JR甲府駅から、山梨交通、夜叉神峠登山口・広河原行き. 運賃は片道1900円. 広河原から北沢峠までは、南アルプス市営バスで25分、料金550円に荷物料200円がかかる.

山梨交通バス 南アルプス市市営バス
course time

2003年の山行で実際にかかった時間を記してあります. 途中何回か取った休憩時間は含まれていません.

  • 第1日
  • 甲府駅
  • 2時間半(バス)
  • 広河原アルペンプラザ
  • 5分
  • 広河原山荘
  • 第2日
  • 広河原
  • 25分
  • 北沢峠
  • 10分
  • 北沢長衛荘
  • 40分
  • 仙水峠
  • 60分
  • 駒津峰
  • 60分
  • 山頂
  • 40分
  • 駒津峰
  • 30分
  • 双児山
  • 50分
  • 北沢峠
  • 25分(バス)
  • 広河原
  • 2時間半(バス)
  • 甲府駅
Other trails

黒戸尾根 信仰登山で開かれた甲州側からの玄関口. 白州町の尾白川から尾根を延々と登っていく.南アルプス一といわれる、ルートの登高は2200メートル.

摩利支天

北沢駒仙小屋前で見える摩利支天頂部. かつては北沢長衛小屋とよばれていた北沢駒仙小屋は、仙水峠にはい上がる北沢の脇にある。 河床に設けられた天場は南アルプスで最大規模のベースで、ハイシーズン、休日前となれば、駒ヶ岳、仙丈ヶ岳へ向かう登山者の テントで埋まる.天場から摩利支天の白い頭が尾根越しに見えている.

駒津峰

仙水峠側から見上げる駒津峰.仙水峠からこの駒津峰にかけては、最初樹林中の急な登りが続き苦しめられるが、 やがてハイマツで見通しのよい登りとなりピークにたどり着く.北沢峠に始まる双子山のルートもここで合流している。 山頂部は展望がよい.

地蔵岳

駒津峰から見た鳳凰三山と富士山.地蔵岳山頂に立っているオベリスクやマサに覆われた白い峰々と、 鳳凰三山をこの山域で見つけ出すのは容易だ.富士山は甲斐駒側からは東南に位置し、仙水峠からさらに東南に続く早川尾根の先に位 置している.写真でも山頂部がわずかに冠雪した富士山が鳳凰三山と並び写っている.

北岳

駒津峰の北岳方面の眺望.

駒津峰

駒津峰から山頂を眺望する.

直登ルート

駒津峰を後にすると一端下りになり大きな岩のあるコルに達する。ここが六方石で、いよいよ甲斐駒の本体に取り掛かることになる。 そのすぐ先で直登ルートと迂回ルートが分かれている.直登ルートは写真左手の褐色の岩場を登るルートで、最初の大岩を乗り越える部分がやや困難である。

直登ルート

直登ルート上部.マサの踏み跡を辿るようになるとまもなく山頂に到達する.

ルート

迂回ルート最上部.迂回ルートは、写真右手のやや茶色がかった部分、マサの中のふみ跡をたど って山頂に向かう.

山頂

ここは信仰の山、頂に石造りの祠がある.

山頂部

山頂を後に、黒戸尾根側に下ると、黒戸ルートが分かれ、ここからマサの下りに入る.

摩利支天

直登ルート分岐の少し先に分岐があり、ここから摩利支天に往復できる. 岩の上をいく道幅の細いルートで分岐に荷物をおき空身で出発する.

摩利支天

摩利支天の頂部.信仰の山でここにも碑が立っている.背後に山頂も見えている. 切れたつ黒戸尾根側には釜無川沿いの麓が眺望でき、その背後には八ヶ岳がある.

摩利支天からみた山頂

摩利支天からみた山頂部.右側のぎざぎざは黒戸尾根. 迂回コースは真っ白なマサの道が続き、この山の異名白崩山を実感できるのであるが、 ここから見上げた山頂部、主体は花崗岩、マサはその隙間を埋めているに過ぎない.

双児山

駒津峰から双児山に続く稜線.

双児山2649mを超えて北沢峠バス停に下るルートは、所要時間が仙水峠経由より 短かいことから下山に使われる.稜線上を進む双児山までは快適、だが先は樹林中の急 坂、楽しい道とはいえない.

早川尾根

仙水峠から鳳凰三山まで続いている早川尾根

早川尾根は、釜無川右岸、南アルプス北縁に並ぶ高い峰々.中央線の車窓からもよく見え、甲斐駒とともにもっともよく観られている南アルプスの姿であろう.

甲斐駒山頂部

仙水峠から登り、山頂の南にある駒津峰に立ったとき、その花崗岩の岩峰はいよいよ目前にせまってきた.

驚くほど巨大な岩塊、白一色の表面に目を凝らしてみても道らしきものはみてとれない.双眼鏡を覗きこむと、色とりどりの小さな人影が 点々と岩にへばりつくかのように一列に並んでいるのが見える.

それは、まるで角砂糖に取りついた蟻の長い行列のような姿であった.

甲斐駒ケ岳
駒津峰手前から.
仙水峠
仙水峠よりみた摩利支天と山頂.
駒津峰
駒津峰から.
黒戸尾根
山頂東側に黒戸尾根が上がってくる.北沢峠までバスが運行されるようになって、利用されなくなって しまったコースで、私が山頂にいた一時間ほどの間にこちらから登ってきたのは数人にすぎなかった.
摩利支天
仙水峠に立った時、その存在感に圧倒された摩利支天も、山頂から見下ろせば1ピークにすぎない.
Futagoyama
双児山から甲斐駒ケ岳を見る.手前のハイマツのピークは駒津峰.
三角点 祠
三角点.近々航空写真を撮影するのであろうか.白い目印板がつけられていた.信仰の山、山頂には石積みの祠が建つ.

かつて、このあたりの山々のことをほとんど知らなかった私でも、 甲斐駒のピラミッドと地蔵ケ岳のオベリスクは、その場所をすぐ指差せる対象だった. 松本方面に向かうとき、中央線でこの山が現れると、南アルプス麓に来ていることを実感させられる. 学生時代、電車の車窓に現れたその山の高さと荒々しさに取りつかれたように見いった思い出があ る.もっとも、そのころの私にとって、このあたりの山は登るものではなく鑑賞の対象に過ぎなかった. そして、実際に登ることになるとは夢にも思わなかった.

後に、奥多摩あたりの低山に通うようになってからも、南アルプスの山々は敷居の高いままだっ た.そして南アルプスに手をつけはじめた後も、この山は先に延ばされる運命となっていた.

その理由は黒戸尾根の厳しさである.山頂より北東へ長く迫り出した黒戸尾根.この尾根を伝うルート末端には、 駒ヶ岳神社もあって昔からの由緒正しい甲斐駒登路であり表玄関の赴きがあり魅力的なものだ.

釜無川源流のひとつ尾白川の登口、標高は800メートルほどしかなく、2967メートルの山頂までは2100メートルの登高を残している屈指の難コースとして知られている.

もちろん、このコースを使わなくてもスーパー林道北沢峠から登る方法もあって、スタートとなる北沢峠は標高で 2030メートル、900メートルの登高ですんでしまう手軽なコースだ. でも、日帰りで登る山の標高差ほどでしかないから、わざわざ南アルプスに出かけていくからには、 ちょっとものたりなさを感じるものでもある.どこから登ろうが、山頂に立つことには変わりないとはいえ、 駒ヶ岳に登った思い出としては、ちょっと手抜きしすぎた後ろめたさが残るように感じた.

中央線からこの山をみるとき、その威厳が減じられることになることは避けたい. そして、正攻法である黒戸尾根を、いずれ自信がついてから登るべきと考え、後回しになった.

しかし、今回決心はいとも簡単に破られることになってしまった. 広河原へキャンプにきたついでに、この山に登ってしまったからである. いざ着いてみれば、空は青々と快晴、北岳山頂もはっきりその姿を見せている. 明日も晴天であれば、キャンプだけで帰ってしまうのも惜しまれるから、登れる山を 探す.ガイドブックを開けば、終バスに間に合いそうな山といえば、仙丈ヶ岳か駒ヶ岳 に限られていた.

仙丈ヶ岳、記載されていたコースタイムでは、北沢峠から8時間.峠にバスが着くのは 朝7時すぎに、15時10分の最終バスではちょっとあぶない. 甲斐駒ヶ岳ならコースタイムで6時間.これなら余裕もあるし、もし登頂に時間を費やし過 ぎてしまったら、黒戸尾根を下ってしまうという荒業も可能だろう.白州町からならタクシー を使って中央線まで出るのも容易で問題なさそうだ.

だから結局、駒ヶ岳に登ることに決めた.黒戸尾根を下ることも考え、テントをたたみ 日帰りにしては重い荷を背負っての出発となった.

北沢峠でバスを降り、仙水峠への入口である林道を少しもどったところにある 北沢長衛荘入口に向かう. 小屋の前で沢を渡る.ここから峠までは北沢に沿った登りでゆるく快適だ.左岸の歩道 は堰堤をいくつか越えて、仙水小屋前を通過する.このすぐ先、樹林中の登りは終え、 明るいガレに出て仙水峠はその先だった.

仙水峠はガスに包まれていたが、切れ間を待てば丸みをおびた摩利支天が見える. 進路は北に変わり駒津峰への登りとなった.登山者の数は多く、抜いては抜かれての 繰り返し、駒津峰に着いた.

山頂部の光景には圧倒された.白い巨大な塊が前に待ち構えている.稜線を辿り北 東に向かうといよいよ山頂への登りに入る.分岐で直登ルートへ入る.そこは直登という 言葉にふさわしい、岩とマサの急斜面、背中の荷が下に引っ張られるような感じを味わい ながら攀じ登るコースであった.

仙水峠では、穏やかな丸に見えていた山頂も、ここから見れば尖っていて直線の重な りだ.どこからとなく人の会話が聞こえてくると、平穏な山頂に出た. 祠の建つ山頂、ちょうどお昼だ.まずは腰を降ろし昼食を作ることにした.

甲斐駒ケ岳
中央道から見える甲斐駒ケ岳
甲斐駒ケ岳
甲斐駒 地図
電子国土で作成されています。ブラウザによっては表示できません。
早川尾根:仙水峠から駒津峰とは反対側に登っていくと早川尾根.峠から栗沢山への急坂からは対峙する甲斐駒の展望がすばらしい. 栗沢山から早川尾根の最高峰であるアサヨ峰へ続く稜線上のコースは、甲斐駒の優れた眺望にたびたび出会うことができる.
早川尾根のページ
甲斐駒ケ岳
広河原峠付近よりみた甲斐駒ケ岳.
黒戸尾根
黒戸尾根.
甲斐駒 アサヨ峰付近より
アサヨ峰あたりからは黒戸尾根の上部が展望でき圧巻.
駒津峰
栗沢山山頂からみた駒津峰と駒ヶ岳.左手駒津峰から双児山に伸びる稜線の後ろには鋸岳が見えている.
栗沢山
仙水峠から栗沢山へのルートは急登の連続できついが 摩利支天と甲斐駒山頂の展望に優れている.
摩利支天
栗沢山へは北沢駒仙小屋の前に始まるルートもある. 樹林中をすすむ登山道の途中には甲斐駒の眺望が開ける場所がある.
甲斐駒
仙丈ヶ岳からみた甲斐駒ヶ岳.双子山から駒津峰の稜線が真正面となる.左 背後には八ヶ岳の峰々が並んでいる.
信濃境から
信濃境からみた甲斐駒ヶ岳.北北西からは、左に続く長い黒戸尾根によって幅広の二等辺三角形になり、 甲府側から見たものと違った姿だ.
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