最北の島である礼文島は、日本海、稚内の西方60km ほどにあります。すぐ南、礼文水道を挟んだ先にある、丸い島の上に海抜1721メートルのピークを乗せた山の島利尻とは対照的に、礼文島は南北に細 長い形状で、最高点も490mの礼文岳、全体に低くなだらかな丘に覆われた周囲65キロメートルの離島です。
かにの親爪のような形をした島の北部、その西側にあるスコトン岬が島の最北端で、沖の無人島のトド島を眺望することができます。 東側の金田ノ岬のすぐ南の丘の上には礼文空港があって、私の訪問した98年には、稚内より一日一便が島の足として就航していましたが、 現在はなくなってしまったようです。この2つの岬に挟まれた船泊湾に船泊港があり、その南の湾の奥まったあたりが島北部の中心地です。
金田ノ岬の東から、島南端の知床まで東海岸沿いには、車道が走り集落が結ばれています。稚内と結ぶフェリーが発着するのが東南にある 香深で、島の玄関口であるとともに島の中心部です。名所地蔵岩のある元地への道路もここが基点となっていて、島を横断し桃岩を経由して元地 まで車道が続いています。スコトン岬のあたりとこの元地を除いて、西側海岸線には道路はなく、浜辺や丘をつなぐ散策コースをたどることにな ります。荒々しく侵食された海岸線を見おろしながら、森林限界を越えているかのような一面笹に包まれた丘を歩くのが、この礼文島の楽しみ方 として紹介されていますが、残念ながら、天候が悪くなってしまったので、私は全行程制覇しないまま引き上げることになってしまいました。
礼文島の最北端、須古頓(スコトン)岬.前方に見えているのは、海馬(トド)島と呼ばれる無人島である.
地蔵岩は、島一番の観光名所であり、垂直に切り立った岩.西海岸の元地の先にあって、港のある香深からは、 丘越えの島を横断する道路がつながっている.
桃岩展望台への歩道から眺めた香深港.稚内、利尻島からのフェリーが発着し、この島の表玄関.
久種湖は、北部の集落、船泊に近接.湖畔にはキャンプ場も整備されている.
桃の形をしているから桃岩
桃知歩道から、北にある元地方面を見おろした.四角い堤防の突き出たところが元地港で、地蔵岩はこの先にある.
桃岩展望台から、島南端の知床につながるのが桃知歩道.断崖を見下ろすと海面に突き出た猫岩が見える.
海岸沿いの歩道は、灯台が現れて終焉する.ここが島の南端である.知床集落に向かって道を下っていくと、前方の雲の下には利尻島が見えていた.
元地灯台
礼文林道
桃知歩道を歩いた翌日も天気はよく、午前中は礼文林道を歩き礼文滝に行くことにした.礼文林道は、香深から元地につながる峠越えの道路 から分かれ島中央部を北進し、右に折れて香深井へ下っている.西海岸の礼文滝と、宇遠内に抜ける歩道がこの林道から分かれているので、林道入口まで 民宿の車で送ってもらい歩き始めた.
この季節、花はもう枯れていて彩りはないけれど緑一面の草原を行くのは気持ちのよいな散策だ.礼文滝に下る歩道に入り、30分ほど歩くと礼文滝の真 上に出た.小さな滝だが、浜辺にむけて落下している.地形図で調べたかぎりでは、この滝より北緯45度31分宗谷岬の間に は滝はなく、地図に載っている日本の最北の滝といえるだろう.
礼文林道は草原の中をいく未舗装の道路.香深港からも近く、手軽な散策コース.
礼文滝へは、沢沿いを下っていく.急坂も多いが、まわりの風景は最高だ.
日本最北の滝、礼文滝.海岸にあるからカモメが群がっていた.
船泊から上泊まで歩く
礼文滝の散策を終えて香深港にもどり、スコトン岬行きのバスに乗り込むと、ちょうど発車時刻だった.島の北端スコトン岬まで、 乗車時間は1時間10分.バスは島の東海岸沿いを北上していき東側の半島の先金田ノ岬までいって折り返した.北部では最も大き な居住地である船泊の集落に入り、西側の半島の内側を進む.
海辺の小さな漁港を通りすぎ丘を登り詰めると、スコトン岬に出た.バス停のすぐ先が岬の展望台である.バスの数は少ないか ら、今乗ってきたバスで引き返しておかないと、ずいぶん待たされることになってしまう.大急ぎで展望台まで行き写真を撮った. 今日は快晴で見通しも良く、前方の海馬島まで岩礁が続くのが見えていた.
島の北東岸上泊からは利尻岳が見えた.少し待つと曇っていた頂上の岩峰まで見ることができた.
船泊港は金田ノ岬の付け根にある.
雨続きの北海道の旅であったが、今日は夕日を見れた.礼文空港付近からの眺め.
スコトンからゴロタ山まで歩く
翌日は雨、半分あきらめ気分の中、一応西部海岸を歩きはじめました. カッパを着て歩き始めたものの、強風の吹き付ける断崖の上だけに早々断念、ゴロタ山から,船泊にもどることにしました.
須古頓岬
白浜付近
鮑古丹
ゴロタ山
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船泊、礼文岳、香深の3枚で全島をカバーしている.
<観光案内所>
香深フェリーターミナルにある.ただし4月から10月中旬のみしか営業していないようだ.電話01638−6−2655
礼文島 REBUN ISLAND
交通機関
稚内港から香深.1日2から5便(季節によって異なる)の直航便.他に利尻島鴛泊経由(1日同1から2便)もある.
東日本海フェリー.稚内支店 電話0162−23−3780.
東日本海フェリー
香深フェリーターミナルを中心にスコトン岬行き、元地行き、知床行きが運行されている.
宗谷バス 礼文営業所 電話01638−6−1020.
宗谷バス
礼文
花の島・花の道 宮本 誠一郎 ・杣田 美野里 著 北海道新聞社 (2001年新版が出版された)
利尻・礼文自然観察ガイド
杣田 美野里・ 宮本 誠一郎・佐藤 雅彦 著 2006年 山と溪谷社
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