暑寒別岳
暑寒別岳
暑寒荘 暑寒ルート、スタート地点の暑寒荘.増毛から暑寒別川沿いの車道を進み、ポンショカンベツ川をすこし遡った場所にある.
佐上台 小屋から東南に尾根に登り上げ、南に折れると早速一合目が現れる.さらに南に向かう尾根上の広い歩道を進み、 ニ合目をやりすごした先で、左手の箸別川が迫ってくると佐上台に着いた.
7合目 ロープを伝う急なのぼりを終えると、ハイマツの中に七合目.
暑寒別 ふり返ると、今歩いてきた尾根が見渡せた.
対岸の滝 ポンショカンベツ川が見渡せる.対岸の西暑寒別の尾根から流れ落ちている沢に、滝の白筋が遠望できた.
扇風岩 八合め扇風岩.
山頂へ 山頂方向を見上げる.このような低い山でもハイマツが生えているのが、私をはるばる北海道の山まで出かけさせる魅力の一つである.
箸別分岐 箸別ルートが合流するのは山頂部の一画で、ここからは先はほとんど平坦だ.
頂上付近の岩 山頂のすぐ手前にある岩.
山頂 暑寒別山頂に着く.完全に霧に覆われてしまった視界のなさは憂鬱だ.この山にもう一度登りなおさなければならないのであろうか.
三角点 標高1491メートル、暑寒別岳の三角点.
 昨年夏、暑寒別登山は雨天であきらめることになった.その時、来年こそは登ろうと決意、その夏もめぐってく ればすぐに去っていくもので、終わりも近くなっていた.9月の2週目からは海外に出かける予定があるから、 もう北海道行きは見送るしかなさそうであった.
 夏期休暇の山行は、短期間でいける南アルプスあたりを予定したが、がっかりさせることに、天気予報では雨模 様一色のようだ.一方、北海道は晴れになっていたから、急遽、昨年やり残した暑寒別岳に登ることに計画を変更し、 旭川空港に向かうことになった.
 急な計画だったから、旭川に着いても、雨竜、増毛のどちらから登ろうかまだ迷っていた.綿密な計画を立て ていないことから、もしもの時には、タクシーの変更ができる、管理人のいる南暑寒荘側に下ることに決めた.旭川 で食料と燃料を買いそろえ、行き帰りそれぞれのタクシーを予約した後、電車に乗り込み留萌線の出ている深川へ向 かう.留萌線ホームには帰路を待つ学生が一杯だった.ここも通学の足として存続しているローカル線のひとつなの だろう.薄暗くなりつつある大地をディーゼルカーは進んでいく.学生は駅ごとに次々に降りていき、車内は空にな っていた.
 日が落ち、外は漆黒になると車内の蛍光灯の明るさはまぶしくさえ感じる.窓の外には、踏み切りを待っている車 のライトくらいしか見えない.「次は留萌」の案内放送、点々と広がる街路灯や町の明かりが見えてきて、ガラガラ と音を立てて留萌川の鉄橋を渡った.それから小さな駅に幾度も止まったが乗降はない.海沿いであるし、昼間であ れば、それほどさびしいところというわけではないのだろう.舎熊駅は、空の待合室にともる明かりがかえって寂し さを感じさせた.
 終点、増毛駅に着く.駅前の広くなったところに、予約してあったタクシーが止まっていた.タクシーが走り始め ると、駅前から受けた印象よりはいくらか大きな町のようであった.まっすぐな道路はやがて山中に入っていき、細 い車道となり、暑寒荘についた.早速、芝地にテントを張り、夕食を食べる.
 他に人のいないキャンプ場はやたらと静かに思えてくる.小屋に泊まったほうが良かったのだろうか.これだけ奥 だとヒグマがいても不思議ではない.食物は袋にいれて保管場所を探すことにした.
 テントにもどりシュラフに入り、今日のいつになく心細い旅路を思い出した.どうしてこうもさびしげな風景だ けが目に飛び込んでくるのだろう.やはり明日の日程に不安をもっているからだろう.南暑寒荘まで、縦走するとなる と一日精いっぱい歩かなければならないし、この分だと山中で人に合うことはないだろう.心に余裕を持たせるために は、朝少しでも早く出発することだろう.早々眠りにつくことにした.
南暑寒別岳へ
南暑寒別岳山頂 南暑寒岳への登り.
三角点 1296.3メートル、南暑寒岳の三角点.
 頂上を後に雨竜方面に下る.こちら側の登山道は利用頻度が低いのか、雨に濡れた笹を押しのけながら進まなければならない. 急坂注意の小さな指示板をかろうじて発見、その先は、切れたち崩れかかった崖の上に出て、恐る恐る歩みを進めた.
 あとはがむしゃらに下っていくと、道がぬかるみ、分岐している場所に出た.左手は小さな湿原のようになっている.ここがコルで雨竜に向かう歩道の続きは、 右に折れた登りの方に続いている。下りもここでおわり、南暑寒別への単調な登りに転じた.結局山頂からここまで威勢良く下った標高差は、ここでまったくの無駄に帰するよう になっているわけで、掃われた笹の飛ばす水滴に腹を立てたいくらいだった.8月も終わりに近いから、小雨中でもあり体も冷えてきた.ラジオで天気予報では、留萌地方 に雷警報が出ている.こんな逃げ場のない場所は少しでも早く通りすぎてしまいたくなって、気も少しあせりだしている.南暑寒岳へ一機に駆け上がってしまいたいが、疲れ も出てきたようで苦しい.もう残りわずかしかないのを承知で一休みしてから、山頂に向かうことにした.
雨竜沼
雨竜沼 trail  湿原を横切るように敷かれている木道からは、尾瀬などと同様に点在する池塘を散策できる.
 南暑寒側の高台には展望台があって、下に広がる湿原を楽しめるよ うだが、私の訪れた日には小雨の後だけに、白一色で展望はなかった.
雨竜沼 雨竜沼.東西4km、南北2kmに広がる大きな湿原.
南暑寒荘と白竜の滝
円山 円山と南暑寒荘.
暑寒別荘
 雨竜沼から流れ出したペンケペタン川の水は、高さ36mの滝を落ちる.
 第1吊橋と第2吊橋の間にあって、登山道からも見えるが、展望台に向かう道がわかれていて、滝の前に立てる.
Informtion
町営入浴施設
いきいき館
地形図:暑寒沢、暑寒別岳、国領(1/2.5万)で今回歩いたルートをカバーしている. 増毛駅付近まで含めるには、さらに増毛(1/2.5万)が必要.
雨竜十字路 バス停 深川駅
雨竜十字路 深川駅
交通機関:入山、下山ともに公共交通機関なし.暑寒荘までは増毛駅から増毛ハイヤー(電話0164−53−1331)で アプローチした.南暑寒荘から雨竜市街までは雨竜ハイヤー(Phone:0125−77−2206)で下る.南暑寒荘管理小屋前には、 カード式公衆電話があるのでここから呼び出し可能だが、NTTドコモによるサービスで通常の通話料よりかなり高い. また常に利用できる状態にあるのか不明なので、あらかじめ予約した方が無難であろう. 雨竜市街からは、北空知バス(Phone:0164−22−2114)の深川行きを利用した. だいたい時間あたり1本が運行されている.雨竜十字路バス停から約30分で深川のバスターミナルに着く.このターミナルは駅から 少し離れた場所にあって、駅には5分ほど歩く.また雨竜十字路からは、JRバス(Phone:01644-2-1701)の滝川行きもある.
小屋:暑寒荘. 標高300メートルの暑寒ルート入口にある.60人収容で無料.キャンプ場も併設. 連絡先はPhone:0164-53-1211(多田商店).
南暑寒荘. 雨竜沼湿原ゲートパークとして整備されている雨竜沼登山口にある.定員70名.1泊500円.基本的に自炊のみだが、週末と夏休み期間中は食事、 登山弁当の提供(有料)ありと書かれている.連絡先は、0125-77-2211(雨竜町役場)か0125-77-2155(観光協会).テントは60張可能で一泊200円. 雨竜沼入山には、環境美化整備等協力金200円を求められ、この小屋管理棟で手続きをする.
その他: 増毛から登るルートには、箸別川沿って登り頂上手前で暑寒ルートと合流する、箸別ルートもある.標高で180メートルほど高いところから始まり、距離もわずかに短いことから、 必要な時間も30分ほど短縮されるようだ.登山口には20人収容の箸別小屋がある(連絡先は暑寒荘と同じ).
 雨竜十字路はゲートパークに向かう道道432号線と、滝川に向かう道道279号線が国道275線と交差している所で、 役場、郵便局などがあり町の中心部である.雨竜ハイヤーも、この交差点の角にあるので、こちらからアプローチする場合には 乗り継ぎやすいだろう.
 この十字路から歩いて5分ほどの距離、ひとつ西側の通りには町営の入浴施設いきいき館(0125-77-2241)があって利用しやすい. 料金は400円.
LINKS: 増毛町 雨竜町 
伝説の湿原 雨竜沼 写真家 岡本洋典が綴るカムイの庭園
ガイドブック: 雨竜沼・暑寒別岳 花と水の楽園 岡本洋典著 北海道新聞社 
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