避難小屋 |
美瑛岳と美瑛富士 |
煙を吐く、火口 |
緑に覆われた富良野岳 |
鋭いピークの美瑛岳が、その右には美瑛富士が見えている. |
すり鉢火口 |
十勝岳、その高さは2077m、道内6位.かつては望岳台までバスが運行していたらしいが、現在、公共交通機関は 利用できない.麓の白金温泉から登るとなると、山頂までは片道4時間ほどかかり、私が思い描いていたような観光遊山の 生やさしい山ではない.ゆえに国設白金野営場に泊まり出発することにした.
野営場を出て、硫黄橋たもとから分かれている車道に入る.その先に歩道が続いているように地形図はみえたので、 入ってみたのだが、そこに歩道は続いていなかった.少しだけ時間ロスしたが、車道にもどってみるとウグイス谷歩道と かかれた表示があって、ここが歩道の入口であったようだ.しかし、私は白樺荘前から始まるもう一本の道のほうを進む ことにした.
切り開かれた斜面の脇にはさびた鉄柱が残っていた.私が想像していた、かつてスキー場から温泉に下るスロープであ ったところのようだ.斜面の勾配をそのまま反映しているから、平らであるかと思えば次は急な登りがあったりで、結構 疲れる道筋ではある.
最後の急坂を終えると駐車場に出る.ここが望岳台で、晩夏とはいえ、今日も訪問者は多いことだろう.みやげ屋 の建物もあるが、まだ早いから開いてはいなかった.霧がかかり展望のない中のスタート、山頂目指して歩き始めた. ときおり避難小屋の姿が上方に見え、だらだらと緩いのぼりが続いた.ここには視界をさえぎる木々はないから、ふりか えると今歩いてきた道筋が見とおせた.
南には、緑に包まれた富良野岳が見えていた.その背後に並んでいるでこぼこを日高山脈か早合点したが、冷静に考えて みれば、芦別あたりだろう.
避難小屋に着く.歩道はすぐ左の沢筋を超え、大きなレキの重なった尾根を登っていくようになった.この登りの 最後の部分はかなり急で、
上ホロ方面 山頂より |
美瑛岳への稜線 山頂より |
富良野岳 山頂より |
境山方面 山頂より |
拳大の黒い礫が転がっているすり鉢火口脇で腰をおろし、本格的に休息することにした.すり鉢火口はその名の通り、 蟻地獄のように深くえぐられている.ただ、すり鉢のように逆さにした円錐というよりは角錐形で、渕の線はほぼ直線、人工 的に掘ったような感じであって、自然の営みの複雑さ感じさせるものだった.
右手が崩壊した斜面といった様相で灰色一色のグランド火口.その西南に、立ち入り禁止となっている前十勝岳があって その脇に白煙をあげている62−U火口があるはずだ.グランド火口の上部には侵食による凹凸が作る縦縞が並んでいて、その 上に一段高くなった山頂があった.
ルートはグランド火口の間は細かなレキが踏み固まった歩道.薄まってはいるが、火山特有の臭気が鼻に届く.先ほど見 えていた縦縞と同様、両側を侵食され細くなった砂地を辿っていくと、そのままレキの転がる急なのぼりに変わり、そして山頂 に達した.残念ながら、曇り空の下、眺望は望めなかった.
十勝岳 (気象庁のページ)
|
グランド火口脇の歩道 |
対岸の四角形の緑地は美瑛模範牧場 |
ガスが晴れると下に望岳台が見えていた. |
望岳台 |